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総務庁行政管理局パブリック・コメント手続担当 様

 「規制の設定又は改廃に係る意見照会手続(仮称)案」へのコメント

                    平 岡  久

住所・年齢・所属等は省略Hiraoka> 19981206


 上記案について本年11月05日付の「意見募集」の文書をいただきました。ご努力に敬意を表しつつ、さしあたり、いくつかの検討課題と考えられる点を、思いつくまま以下に記します。 

 一 「意見照会手続」という名称について
 「照会」とは問い合わせることを意味するので、行政機関の側を主体とした用語になる。事業者を含む私人の側から見ての「意見表明手続」、あるいは「意見提出手続」という用語の方がより適切であると考える。また、「情報」の提供も求める趣旨を明確にするためには、「意見・情報の提供(または提出)手続」ということになろうか (政令等の命令制定手続に関する、第一次行政手続法研究会の要綱案等における用語法も参照)。 

 二 対象について
 1 行政手続法上の審査基準等(私の用語法における「行政基準」、拙著・行政立法と行政基準を参照)をも対象としていることは、なお「行政上の措置」にとどまるとはいえ、画期的なものとして高く評価できる。
 但し、行政手続法の適用をうけない行政分野そして行政処分・行政指導も少なくなく、また適用があっても設定・公表がなされていないものもある(12条により処分基準は「努力」義務であり、36条により多数者への行政指導基準は「行政上の支障がない限り」という例外が明示されており、審査基準に関する5条1項も一切例外を認めない趣旨ではないと解されている)。したがって、実質的意味では審査基準・処分基準・行政指導基準であっても公表がなされない(または予定されていない)ものの設定・改廃の案についても「意見表明」の対象になるかが、いちおう問題となる。最終決定としての諸基準が公表されない(または予定されていない)ものの案を公表して「意見表明」手続にのせる、というのは奇妙であるので、「行政手続法上の……」という限定は、行政手続法の適用をうけない、または適用があっても公表がなされないものは除外する、という趣旨であると理解すべきなのであろうか(そうすると、行政手続法の適用の有無および最終決定の公表の予定の有無が審査基準等が対象となるかどうかにとって重要な決め手になることになる)。
 2 「規制」ではない「補助金要綱…のような行政サービスにかかるもの」は除外されている。「規制緩和推進」の流れ(閣議決定)にもとづく手続案であることは理解できるが、例えば補助金の廃止・削減(要綱の改廃)は―「規制」とはいえないとしても―利害関係者にとっては不利益に働く重大な関心事であるように見える。また、他者への補助金の交付や増額等によって「規制」的な影響を受ける者もいるであろう。行政改革会議最終報告にいう「パブリック・コメント」制度は対象を「規制」に限っていない(本来そうであるはずである)ことも考慮すると、――基本的性格にかかわるので変更は困難かもしれないが――問題点の一つであると考える。
 3 意思決定過程の特例として、「審議会等の答申を受けて、…政令…省令、告示等を定める場合」が除外されている。政令・省令等の改廃前に審議会類の答申類があることはかなり多いはずであり(常岡編・行政立法手続の巻末資料参照。例えば環境庁告示による環境基準の改正前の中央環境審議会答申)、そのような場合を除外するとすれば、せっかくの一般国民・事業者等の「意見表明」手続の意味が大きく損なわれるのではないか、と考える。審議会類の委員の意見が国民等の意見を正確に代表としているとは思われないのであり、この点が今回の案(およびその説明)で最も疑問を感じたところである。審議会手続と「意見表明」手続は併行させてもよく、また「意見表明」手続の後で審議会手続に進むことがあってもよいのではないだろうか。

 三 案の公表方法・「意見表明」方法について
 とくに問題は感じない。HPへの掲載や電子メールにも言及されていることは「時代」を感じる。電子情報・インターネットの利用という点では、地方公共団体よりも国の方が進んでいるようである。

           以 上    
19981206