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 滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例


     制定  昭和54年10月17日 条例第37号
   最近改正  平成13年


 目 次
 前 文
 第1章 総 則(第1条―第6条)
 第2章 工場等の排出水の排出の規制(第7条―第16条の2)
 第3章 りんを含む家庭用合成洗剤の使用の禁止等(第17条―第20条)
 第4章 その他の窒素等の排出の抑制等(第21条―第24条)
 第5章 雑 則(第25条―第28条)
 第6章 罰 則(第29条―第34条)
 付 則


 水は、大気、土などとともに人間生存の基盤である。
 この水を満々とたたえた琵琶湖は、日本最大の湖として、われわれに大きな試練を与えながらも、限りない恵みをもたらしてきた。
 この琵琶湖が、近年、急激な都市化の進展などによつて水質の悪化、とりわけ富栄養化の進行という異常な事態に直面している。しかも、それは、琵琶湖自身の自然の営みによるものではなく、琵琶湖流域に住む人々の生活や生産活動によつて引き起こされている。
 悠久の歴史をつづりながら、さまざまな人間活動を支えてくれた琵琶湖を、今、われわれの世代によつて汚すことは許されない。
 水は有限の資源であり、琵琶湖はまさにその恩恵に浴する人々にとつての生命源であり、深い心のよりどころである。われわれは、幾多の困難を克服して、この水と人間との新しい共存関係を確立していかなければならない。
 いまこそ、われわれは、豊かさや便利さを追求してきた生活観に反省を加え、琵琶湖のもつ多面的な価値と人間生活のあり方に思いをめぐらし、勇気と決断をもつて、琵琶湖の環境を保全するため総合的な施策を展開することが必要である。
 琵琶湖とともに生き、琵琶湖を愛し、琵琶湖の恵みに感謝する県民が環境保全の意識に目ざめ、今、ひたむきに創造的な活動を繰りひろげている。
 われわれは、この自治と連帯の芽を育てながら、一体となつて琵琶湖を守り、美しい琵琶湖を次代に引き継ぐことを決意し、その第一歩として、ここに琵琶湖の富栄養化を防止するための条例を制定する。

     第1章 総 則
 (目的)
 第1条 この条例は、琵琶湖の富栄養化の防止に関し、県、県民および事業者の責務を明らかにするとともに、排出水の排出規制その他の措置を講じることにより、琵琶湖の環境の保全を図ることを目的とする。
 (平12条例88・一部改正)

 (定義)
 第2条 この条例において「琵琶湖」とは、河川法(昭和39年法律第167号)の規定の適用を受ける琵琶湖および淀川のうち瀬田川洗堰より上流の区域をいう。
 2 この条例において「富栄養化」とは、窒素またはりんを含む物質(以下「窒素・りん含有物」という。)が閉鎖性水域に流入し、当該水域において藻類その他の水生植物が増殖繁茂することに伴つてその水質が累進的に悪化する現象をいう。
 3 この条例において「指定施設」とは、工場または事業場に設置される施設のうち、窒素・りん含有物を含む汚水または廃液(以下「汚水等」という。)を排出する施設で、規則で定めるものをいう。
 4 この条例において「公共用水域」とは、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第1項に規定するものをいう。
 5 この条例において「りんを含む家庭用合成洗剤」とは、家庭用品品質表示法(昭和37年法律第104号)の規定の適用を受ける合成洗剤で、同法第3条の規定に基づく告示により、その成分としてりん酸塩を含有する旨の表示がされているものをいう。

 (県の責務)
 第3条 県は、琵琶湖の富栄養化の防止に関し、基本的かつ総合的な施策を策定し、およびこれを実施するものとする。
 2 県は、琵琶湖の富栄養化の防止に関し、市町村との連携を図るとともに、市町村が実施する琵琶湖の富栄養化の防止に関する施策について、必要な援助および助言を行わなければならない。
 (平12条例88・一部改正)

 第4条 削 除
 (平12条例88)

 (県民の責務)
 第5条 県民は、琵琶湖の富栄養化の原因となる行為をしないよう努めるとともに、県が実施する琵琶湖の富栄養化の防止に関する施策に協力しなければならない。
 (平12条例88・一部改正)

 (事業者の責務)
 第6条 事業者は、その事業活動を行うに当たつては、琵琶湖の富栄養化を防止するために必要な措置を講じるとともに、県が実施する琵琶湖の富栄養化の防止に関する施策に協力しなければならない。
 2 事業者は、この条例に違反していないことを理由として、琵琶湖の富栄養化の防止について最大の努力をすることを怠つてはならない。
 (平12条例88・一部改正)

     第2章 工場等の排出水の排出の規制

 (排水基準)
 第7条 指定施設を設置する工場または事業場(以下「工場等」という。)から公共用水域に排出される水(以下「排出水」という。)の窒素またはりんに係る排水基準(以下単に「排水基準」という。)は、規則で定める。
 2 知事は、排水基準を定め、または変更しようとするときは、あらかじめ滋賀県環境審議会の意見を聴かなければならない。
 (昭60条例44・平6条例17・一部改正)

 (指定施設の設置の届出)
 第8条 県内(琵琶湖に流入しない河川の流域として規則で定める区域を除く。以下この章および第4章において同じ。)において工場または事業場から公共用水域に水を排出する者は、指定施設を設置しようとするときは、規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
 (1) 氏名または名称および住所ならびに法人にあつては、その代表者の氏名
 (2) 工場または事業場の名称および所在地
 (3) 指定施設の種類
 (4) 指定施設の構造
 (5) 指定施設の使用の方法
 (6) 指定施設から排出される汚水等の処理の方法
 (7) 排出水に含まれる窒素またはりんの濃度、排出水の量その他の規則で定める事項

 (経過措置)
 第9条 一の施設が指定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)で、県内において排出水を排出するものは、当該施設が指定施設となつた日から30日以内に、規則で定めるところにより、前条各号に掲げる事項を知事に届け出なければならない。

 (指定施設の構造等の変更の届出)
 第10条 第8条または前条の規定により届出をした者は、その届出に係る第8条第4号から第7号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

 (計画変更命令等)
 第11条 知事は、第8条または前条の規定による届出があつた場合において、排出水が当該工場等の排水口(排出水を排出する場所をいう。以下同じ。)において排水基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から60日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る指定施設の構造もしくは使用の方法もしくは指定施設から排出される汚水等の処理の方法に関する計画の変更または第8条の規定による届出に係る指定施設の設置に関する計画の廃止を命ずることができる。

 (実施の制限)
 第12条 第8条の規定による届出をした者または第10条の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から60日を経過した後でなければ、それぞれ、その届出に係る指定施設を設置し、またはその届出に係る指定施設の構造もしくは使用の方法もしくは指定施設から排出される汚水等の処理の方法の変更をしてはならない。
 2 知事は、第8条または第10条の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。

 (氏名の変更等の届出)
 第13条 第8条または第9条の規定による届出をした者は、その届出に係る第8条第1号もしくは第2号に掲げる事項に変更があつたとき、またはその届出に係る指定施設の使用を廃止したときは、その日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

 (承継)
 第14条 第8条または第9条の規定による届出をした者からその届出に係る指定施設を譲り受け、または借り受けた者は、当該指定施設に係る当該届出をした者の地位を承継する。
 2 第8条または第9条の規定による届出をした者について相続、合併または分割(その届出に係る指定施設を承継させるものに限る。)があつたときは、相続人、合併後存続する法人もしくは合併により設立した法人または分割により当該指定施設を承継した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。
 3 前2項の規定により第8条または第9条の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があつた日から30日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。
 (平13条例52・一部改正)

 (排出水の排出の制限)
 第15条 県内において排出水を排出する者は、当該工場等の排水口において排水基準に適合しない排出水を排出してはならない。
 2 前項の規定は、一の施設が指定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)の当該施設を設置している工場等から排出される水については、当該施設が指定施設となつた日から1年間(当該施設が当該期間の延長を必要とするやむを得ない事情があるものとして規則で定める施設である場合にあつては、当該施設について規則で定める期間)は、適用しない。ただし、当該施設が指定施設となつた際既に当該工場等が指定施設を設置しているものであるときは、この限りでない。

 (改善命令等)
 第16条 知事は、県内において排出水を排出する者が当該工場等の排水口において排水基準に適合しない排出水を排出するおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めて指定施設の構造もしくは使用の方法もしくは指定施設から排出される汚水等の処理の方法の改善を命じ、または指定施設の使用もしくは排出水の排出の一時停止を命ずることができる。
 2 前条第2項の規定は、前項の規定による命令について準用する。

 (適用除外)
 第16条の2 水質汚濁防止法施行令(昭和46年政令第188号)第3条第13号に係る排水基準の適用を受ける施設を設置する者の当該施設を設置する工場または事業場については、第8条から第16条までの規定は、適用しない。
 (昭60条例30・追加)

     第3章 りんを含む家庭用合成洗剤の使用の禁止等
 (使用の禁止等)
 第17条 何人も、県内(琵琶湖に流入しない河川の流域その他の地域で規則で定める区域を除く。以下この章において同じ。)において、りんを含む家庭用合成洗剤を使用してはならない。
 2 何人も、県内に住所または居所を有する者に対し、りんを含む家庭用合成洗剤を贈つてはならない。

 (販売の禁止等)
 第18条 物品の販売を業とする者その他いかなる名義をもつてするを問わず対価を得て行う物品の供給を業とする者(以下「販売業者等」という。)は、県内において、りんを含む家庭用合成洗剤を販売し、または供給してはならない。ただし、その者の住所、氏名、りんを含む家庭用合成洗剤を購入し、またはその供給を受ける目的、その数量その他規則で定める事項を記載した書面により、りんを含む家庭用合成洗剤を県内において使用しない旨の申出をした者に販売し、または供給するときは、この限りでない。
 2 販売業者等は、前項ただし書の規定による申出をした者にりんを含む家庭用合成洗剤を販売し、または供給したときは、同項ただし書に規定する書面をその販売または供給の日から1年間保存しなければならない。

 (指示)
 第19条 知事は、販売業者等が前条第1項の規定に違反して、りんを含む家庭用合成洗剤を販売し、または供給していると認めるときは、当該販売業者等から必要な事項について報告を求めるとともに、同項の規定の遵守について必要な指示をすることができる。
 2 知事は、販売業者等が前条第2項の規定による書面の保存をしていないときは、当該販売業者等から必要な事項について報告を求めるとともに、同項の規定による書面の保存について必要な指示をすることができる。

 (措置命令)
 第20条 知事は、前条第1項または第2項の規定による指示を受けた者がその指示に従わないで、りんを含む家庭用合成洗剤を販売し、または供給しているときは、当該販売業者等に対し、りんを含む家庭用合成洗剤の店頭からの撤去その他必要な措置を命ずることができる。

     第4章 その他の窒素等の排出の抑制等
 (肥料の適正使用等)
 第21条 農業に従事する者は、県内において、窒素・りん含有物を含む排水をみだりに公共用水域に排出しないよう、適正に肥料を使用し、および用水を管理しなければならない。

 (家畜のふん尿の適正処理)
 第22条 畜産業に従事する者は、県内において、家畜のふん尿を公共用水域に排出しないよう、その処理施設の設置に努めるとともに、土壌還元の方法等により適正に処理しなければならない。

 (雑排水の処理)
 第23条 何人も、県内において、食物残さ等をみだりに雑排水に含めて公共用水域に排出しないよう努めなければならない。

 (指導および助言)
 第24条 知事は、前3条に定める事項に関し、その趣旨を達成させるために必要な指導および助言を行うものとする。

     第5章 雑 則
 (立入調査)
 第25条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、工場等もしくは販売業者等の営業所、店舗、倉庫その他の場所に立ち入り、調査させ、または関係人から資料の提出もしくは説明を求めさせることができる。
 2 前項の規定により立入調査を行う者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
 3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪検査のために認められたものと解釈してはならない。

 (県の援助)
 第26条 県は、汚水等を処理する施設等の設置または改善の促進に資するため、必要な資金の融資およびあつせん、技術的な助言その他の援助に努めなければならない。
 2 前項の措置を講じるに当たつては、中小企業者に対する特別の配慮がなされなければならない。

 (測定義務)
 第27条 指定施設を設置している者は、規則で定めるところにより、当該工場等から排出される水の状態を測定し、その結果を記録しておかなければならない。

 (委任)
 第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

     第6章 罰 則

 (両罰規定)
 第29条 第11条、第16条第1項または第20条の規定による命令に違反した者は、50万以下の罰金に処する。
 (平4条例28・全改)

 第30条 第15条第1項の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
 (平4条例28・全改)

 第31条 第8条または第10条の規定による届出をせず、または虚偽の届出をした者は、20万円以下の罰金に処する。
 (平4条例28・全改)

 第32条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
 (1) 第9条の規定による届出をせず、または虚偽の届出をした者
 (2) 第12条第1項の規定に違反した者
 (平4条例28・追加)

 第33条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
 (1) 第13条または第14条第3項の規定による届出をせず、または虚偽の届出をした者
 (2) 第25条第1項の規定による調査を拒み、妨げ、もしくは忌避し、または同項の規定による資料の提出もしくは説明を拒んだ者
 (平4条例28・追加)

 (両罰規定)
 第34条 法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、第29条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対して各本条の罰金刑を科する。
 (平4条例28・旧第32条繰下・一部改正)

 付 則
 この条例は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
 (昭和54年規則第55号で昭和55年7月1日から施行。ただし、第1章、第7条および第26条は、昭和54年12月22日から施行)
 

 付 則(平成12年条例第88号)
 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

 付 則(平成13年条例第52号)
 この条例は、公布の日から施行する。


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