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八尾市公文書公開審査会
八尾市公文書公開条例改正について(答申)
八公審答申第3号 平成12年1月31日
八尾市長 柴谷光謹様 八尾市公文書公開審査会 会長 山代義雄
平成11年12月3日付け八公市第1025号で諮問のあった事案について、つぎのとおり答申する。
第1 審査会の結論
本審査会は、八尾市長(以下「市長」という。)から諮問のあった八尾市公文書公開条例(以下「条例」という。)の改正を適当なものと考え、次のとおりとする。
第2 諮問の内容
I 条例改正の趣旨
本市においては、平成7年10月に条例を施行し、情報公開制度を実施してきたが、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年5月14日法律第42号)」(以下「情報公開法」という。)との整合を図り、より開かれた市政を実現するため、条例改正を行うこととした。
II 条例改正の内容
改正の主要な論点は以下のとおりである。
1 説明責任の明記
市と市民との間における情報の流れが円滑かつ豊かになることにより、市民は市政の実態をより正確に把握できるようになる。市民の市政への積極的な参加を促し、よりわかりやすい情報の公開・提供を推進するため、「説明責任」を明記する。
2 対象公文書の拡大
市の保有する情報の公開を十分なものとするため、請求の対象となる公文書の範囲を「決裁・供覧の手続が終了した文書」から「組織的に用いるものとして実施機関が保有しているもの」に拡大する。
また、フロッピーディスク等に記録された電磁的記録についても、要件を満たすものは同じく対象文書に含めることとする。
3 出資法人等の情報公開
本来、市には出資法人への出資や財政的援助団体への補助・助成等の必要性、並びに当該出資法人の経営状況、財政的援助団体における補助金・助成金等の使途について市民に知らせ説明する責務がある。しかし、出資法人等は民法あるいは商法上の組織形態がとられているもの等市からは独立したものであり、条例に基づいて当該出資法人等を直接情報公開制度の対象として位置づけることは法的に問題がある。そこで、つぎの二つの場合に分け出資法人、財政的援助団体の情報公開を進めることとする。
ア 市が出資する法人等で規則で定めるものについては、市の施策に準じた措置を講じるよう責務規定を設ける。(25%以上の出資法人を基本とする。)
イ 市が補助金、助成金など財政的な援助を行う団体等で規則で定めるものが保有している文書を実施機関が管理していない場合、実施機関を経由して閲覧等を申し出ることができることとする。(対象団体及び文書の範囲は地方自治法に基づく八尾市監査委員の財政的援助団体等の監査の扱いに準ずるものとする。)
4 公務員の職務遂行に係る情報を「個人に関する情報」より除外
公務員の職務遂行に係る公務員の職及び公務遂行内容については、そもそもプライバシーが問題となる余地はなく、当該情報は「個人に関する情報」にあたらないとする見解から、除外する内容として当該規定を追加する。
5 機関委任事務廃止に伴う改正
地方自治法の改正による機関委任事務の廃止に伴い、当該事務の規定である条例第6条第8号を削除し、今後の国等との関わりについて規定するため条例第6条第3号を改正する。
6 公文書の存否に関する取扱い
市が行う事務事業において、例えば、個人を特定してその病歴や生活保護の受給の有無などの公文書を請求された場合、当該請求に係る文書が存在しているか否かを答えるだけで、個人のプライバシーを侵害したり、今後の事務事業に支障が生じる場合が想定される。そこで当該規定を設け、対応することとした。
7 公開手数料の改正
開かれた行政の実現のため、条例第5条第1項に規定する公開請求できるものについては、手数料を無料とする。これら以外の者については、公開に要する費用を税金で賄い、住民の負担に転嫁するのは妥当ではないという観点から手数料は現行どおりとする。
第3 審査会の意見
1 説明責務の明記について
本来、市には、地方自治の本旨から主権者である市民に対し、市政運営について説明する責務(アカウンタビリティ)があることは周知のとおりであり、これを条例に明記することは、情報公開を積極的に推進するという観点から大いに意義がある。
いわゆる「知る権利」という文言を目的規定にいれるべきかについては、「知る権利」はなお未成熟な概念であるという意見もあったが、むしろ明記が望ましいという意見の方が強く、結論としては、運用に際しその意見が反映されるのであれば、その判断は市に委ねることとする。
2 対象公文書の拡大について
対象公文書の範囲を「決裁・供覧の手続終了後の文書」から「実施機関の職員が組織的に用いるものとして保有している文書」(以下「組織共用文書」という。)と拡大することについては、市民へのより一層の情報公開と市民の市政への参加を促進するという観点から意義があり、情報公開法との整合性も考慮すると範囲を拡大することが適当である。ただし、どのような文書が組織共用文書に当たるかについて、明確にする必要があるが、広く運用していくことが市民への情報公開を促進する上で望ましい。
また、「電磁的記録」を公開請求の対象とすることに異論はない。情報公開法では、電磁的記録を「電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識できない方式で作られた記録をいう。」と定義されているが、本市条例についてもこれを踏襲することとする。なお、閲覧・複写等については、技術的な問題から現時点では紙媒体での公開が適当であると考える。
3 出資法人等の情報公開について
出資法人は民法、商法その他の法律等各種の根拠により、多様な設立形態があり、市より独立した法人、団体であり、これらのものを条例上の実施機関と位置づけ情報公開を求めることは、法的に問題があると考えられる。しかし、出資法人等は、市から資本金等の全部又は一部を拠出している場合はもとより、市の事務事業の一部を補完又は分担し、市政の重要な一翼を担うとともに、補助金などの財政的支援や職員の派遣などの人的支援を本市から受けていることからすれば、法律上可能な範囲で、出資法人等の情報公開を推進していくことが必要である。
そのため、基本的には当該法人等自ら、市の条例の趣旨にのっとり、情報公開に努めるべきであるが、設立形態や市の出資比率、市の事務事業との関連性に応じて、情報公開が推進されるような条例上の責務規定を設けることが望ましい。
今回、市の素案のように一定の出資比率(25%)以上等、市の事務と密接な関わりを持つものについては、対象法人を規則で定めた後、各法人が市に準じて自主的に情報公開を推進する規定を設けるようにし、また、補助金、助成金等財政的援助を行っている団体については、八尾市監査委員が実施する地方自治法上の監査を基準として当該団体に文書を提出させることができるようにすることは情報公開の本旨から意義のあることである。
ただし、出資比率が100%のものは、実施機関と同じ取扱いを義務づけるべきという意見があり、今後の検討課題とする。
4 公務員規定
公務員の職務の遂行にかかる情報は、市の事務事業内容を市民に説明する責任を全うするために、これを明らかにする意義は大きいので、「個人に関する情報」の例外として扱い、当該公務員の「職及び職務遂行の内容にかかる部分」を公開する旨の規定を設けることが望ましい。
5 機関委任事務廃止に伴う改正について
機関委任事務の廃止に伴い、当該事務に関する規定である条例第6条第8号を削除することについては異論がない。また、今後の国との関わりについては第6条の条文を修正しなくても運用・解釈が可能であると考えられる。
6 公文書の存否に関する取扱いについて
公文書が存在しているか否かを答えるだけで、個人のプライバシーを侵害する場合が考えられ、このような場合には「情報公開法」と同様に当該規定の必要性が認められる。なお、当該規定を誤用・濫用が行われれば市の情報公開が後退する恐れがあるという意見もあり、個人情報の保護を最大限重視する場合に限定した規定として運用する必要があると考えられる。
7 手数料の改正について
手数料は、特定の者に対する事務処理上の必要経費として請求者から徴収されるものであり、公開に要する費用を一般経費で賄うのは妥当ではないというのが審査会の意見であるが、情報公開制度の住民に開かれた行政の実現を目的とする趣旨から、請求権のある者からの手数料徴収はすべきでないという少数意見もあったことを併記しておく。
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