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古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法


             制定 昭和41年 1月13日 法律第1号

           最近改正 平成11年 7月16日 法律第87号

             施行 平成12年 4月 1日など


第1条(目的)

この法律は、わが国固有の文化的資産として国民がひとしくその恵沢を享受し、後代の国民に継承されるべき古都における歴史的風土を保存するために国等において講ずべき特別の措置を定め、もつて国土愛の高揚に資するとともに、ひろく文化の向上発展に寄与することを目的とする。

 

第2条(定義)

@ この法律において「古都」とは、わが国往時の政治、文化の中心等として歴史上重要な地位を有する京都市、奈良市、鎌倉市及び政令で定めるその他の市町村をいう。

A この法律において「歴史的風土」とは、わが国の歴史上意義を有する建造物、遺跡等が周囲の自然的環境と一体をなして古都における伝統と文化を具現し、及び形成している土地の状況をいう。

 

第3条(国及び地方公共団体の任務等)

 @ 国及び地方公共団体は、古都における歴史的風土が適切に保存されるように、この法律の趣旨の徹底を図り、かつ、この法律の適正な執行に努めなければならない。

A 一般国民は、この法律の趣旨を理解し、いやしくもこの法律の目的に反することのないように努めるとともに、国及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行なう措置に協力しなければならない。

 

第4条(歴史的風土保存区域の指定) <平11法87・一部改正>

@ 内閣総理大臣は、関係地方公共団体及び歴史的風土審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、古都における歴史的風土を保存するため必要な土地の区域を歴史的風土保存区域として指定することができる。この場合において、内閣総理大臣は、関係地方公共団体から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。

A 内閣総理大臣は、歴史的風土保存区域の指定をするときは、その旨及びその区域を官報で公示しなければならない。

B 前二項の規定は、歴史的風土保存区域の変更について準用する。

 

第5条(歴史的風土保存計画) <平11法87・一部改正>

 @ 内閣総理大臣は、歴史的風土保存区域の指定をしたときは、関係地方公共団体及び歴史的風土審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、当該歴史的風土保存区域について、歴史的風土の保存に関する計画(以下「歴史的風土保存計画」という。)を決定しなければならない。この場合において、内閣総理大臣は、関係地方公共団体から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。

A 歴史的風土保存計画には、次の事項を定めなければならない。

一 歴史的風土保存区域内における行為の規制その他歴史的風土の維持保存に関する事項

二 歴史的風土保存区域内においてその歴史的風土の保存に関連して必要とされる施設の整備に関する事項

三 歴史的風土特別保存地区の指定の基準に関する事項

四 第一一条の規定による土地の買入れに関する事項

B 内閣総理大臣は、歴史的風土保存計画を決定したときは、これを関係行政機関の長及び関係地方公共団体に送付するとともに、官報で公示しなければならない。

C 前三項の規定は、歴史的風土保存計画の変更について準用する。

 

第6条(歴史的風土特別保存地区に関する都市計画)

@ 歴史的風土保存区域内において歴史的風土の保存上当該歴史的風土保存区域の枢要な部分を構成している地域については、歴史的風土保存計画に基づき、都市計画に歴史的風土特別保存地区(以下「特別保存地区」という。)を定めることができる。

A 府県は、特別保存地区に関する都市計画が定められたときは、その区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。この場合において、特別保存地区内の土地の所有者又は占有者は、その設置を拒み、又は妨げてはならない。

 

第7条(歴史的風土保存区域内における行為の届出)

@ 歴史的風土保存区域(特別保存地区を除く。)内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、政令で定めるところにより、あらかじめ府県知事にその旨を届け出なければならない。ただし、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの及び非常災害のため必要な応急措置として行なう行為については、この限りでない。

一 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築

二 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更

三 木竹の伐採

四 土石の類の採取

五 前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

A 府県知事は、前項の届出があつた場合において、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。

B 国の機関は、第1項の規定により届出を要する行為をしようとするときは、あらかじめ府県知事にその旨を通知しなければならない。

 

第7条の2(特別保存地区の特例)

第2条第1項の規定に基づき古都として定められた市町村のうち、当該市町村における歴史的風土がその区域の全部にわたつて良好に維持されており、特に、その区域の全部を第6条第1項の特別保存地区に相当する地区として都市計画に定めて保存する必要がある市町村については、別に法律で定めるところにより、第4条から前条までの規定の特例を設けることができる。この場合において、当該都市計画に定められた地区についてのこの法律の規定(第4条から前条までの規定を除く。)の適用については、当該地区は、第6条第1項の特別保存地区とする。

 

第8条(特別保存地区内における行為の制限)

@ 特別保存地区内においては、次の各号に掲げる行為は、府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの、非常災害のため必要な応急措置として行なう行為及び当該特別保存地区に関する都市計画が定められた際すでに着手している行為については、この限りでない。

一 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築

二 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更

三 木竹の伐採

四 土石の類の採取

五 建築物その他の工作物の色彩の変更

六 屋外広告物の表示又は掲出

七 前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

A 府県知事は、前項各号に掲げる行為で政令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

B 前条の法律により、市町村の区域を区分して二以上の特別保存地区が定められたときは、前二項の政令は、その区分の目的に応じてそれぞれ特別保存地区ごとに定めることができる。

C 建設大臣は、第1項又は第2項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ歴史的風土審議会の意見を聴かなければならない。

D 第1項の許可には、歴史的風土を保存するため必要な限度において、期限その他の条件を附することができる。

E 府県知事は、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、第1項の規定に違反し、又は前項の規定により許可に附せられた条件に違反した者に対して、その保存のため必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。この場合において、当該命ぜられた行為を履行しない場合における代執行に関しては、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところによる。

F 前項前段の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下この項において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、府県知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。

G 国の機関が行なう行為については、第1項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ府県知事に協議しなければならない。

 

第9条(損失の補償)

@ 前条第1項の許可を得ることができないため損失を受けた者がある場合においては、府県は、その損失を受けた者に対して通常生ずべき損失を補償しなければならない。ただし、次の各号の一に該当する場合における当該許可の申請に係る行為については、この限りでない。

一 前条第1項の許可の申請に係る行為について、第10条に規定する法律(これに基づく命令を含む。以下この号において同じ。)の規定により許可を必要とされている場合において、当該法律の規定により不許可の処分がなされたとき。

二 前条第1項の許可の申請に係る行為が社会通念上特別保存地区に関する都市計画が定められた趣旨に著しく反すると認められるとき。

A 前項の規定による損失の補償については、府県知事と損失を受けた者とが協議しなければならない。

B 前項の規定による協議が成立しない場合においては、府県知事又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和26年法律第219号)第94条の規定による裁決を申請することができる。

 

第10条(行為の禁止又は制限に関する他の法律の適用)

第七条及び第八条の規定は、歴史的風土保存区域内における工作物の新築、改築又は増築、土地の形質の変更その他の行為についての禁止又は制限に関する都市計画法(昭和43年法律第100号)、建築基準法(昭和25年法律第201号)、文化財保護法(昭和25年法律第214号)、奈良国際文化観光都市建設法(昭和25年法律第250号)、京都国際文化観光都市建設法(昭和25年法律第251号)その他の法律(これらに基づく命令を含む。)の規定の適用を妨げるものではない。

 

第11条(土地の買入れ)

 @ 府県は、特別保存地区内の土地で歴史的風土の保存上必要があると認めるものについて、当該土地の所有者から第八条第一項の許可を得ることができないためその土地の利用に著しい支障をきたすこととなることにより当該土地を府県において買い入れるべき旨の申出があつた場合においては、当該土地を買い入れるものとする。

A 前項の規定による買入れをする場合における土地の価額は、時価によるものとし、政令で定めるところにより、評価基準に基づいて算定しなければならない。

 

第12条(買い入れた土地の管理)

府県は、前条の規定により買い入れた土地については、この法律の目的に適合するように管理しなければならない。

 

第13条(歴史的風土保存計画の実施に要する経費)

国は、歴史的風土保存計画を実施するため必要な資金の確保を図り、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならない。

 

第14条(費用の負担及び補助)

@ 国は、第9条の規定による損失の補償及び第11条の規定による土地の買入れに要する費用については、政令で定めるところにより、その一部を負担する。

A 国は、地方公共団体が歴史的風土保存計画に基づいて行なう歴史的風土の維持保存及び施設の整備に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該地方公共団体に対し、その一部を補助することができる。

 

第15条 削 除

 

第16条(歴史的風土審議会)

@ 総理府に、歴史的風土審議会(以下「審議会」という。)を置く。

A 審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮間に応じ、歴史的風土の保存に関する重要事項を調査審議する。

B 審議会は、前項に規定する事項に関し、内閣総理大臣又は関係大臣に意見を述べることができる。

C 審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係団体に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

 

第17条

 @ 審議会は、委員二一人以内で組織する。

A 委員は、関係行政機関の職員、関係地方公共団体の長及び学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が任命する。

B 学識経験のある者のうちから任命される委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

C 前項の委員は、再任されることができる。

D 審議会に、会長を置き、委員の互選によつてこれを定める。

E 会長は、会務を総理する。会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

F 専門の事項を調査させるため、審議会に、専門委員を置くことができる。専門委員は、関係行政機関の職員及び学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

G 委員及び専門委員は、非常勤とする。

H この法律に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

 

第18条(報告、立入調査等)

@ 府県知事は、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、特別保存地区内の土地の所有者その他の関係者に対して、第8条第1項各号に掲げる行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

A 府県知事は、第8条第1項、第5項又は第6項前段の規定による権限を行うため必要があると認めるときは、その必要な限度において、その職員をして、特別保存地区内の土地に立ち入り、その状況を調査させ、又は同条第1項各号に掲げる行為の実施状況を検査させることができる。

B 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

C 第2項の規定による立入調査又は立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 

第19条(大都市の特例) <平11法87・一部改正>

この法律中府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)においては、指定都市が処理するものとする。この場合においては、この法律中府県に関する規定は、指定都市に関する規定として指定都市に適用があるものとする。

 

第20条(罰則)

第8条第6項前段の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は一〇万円以下の罰金に処する。

 

第21条

次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

一 第8条第1項の規定に違反した者

二 第8条第5項の規定により許可に付せられた条件に違反した者

 

第22条

次の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。

一 第6条第2項の規定により設置した標識を移動し、汚損し、又は破壊した者

二 第18条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

三 第18条第2項の規定による立入調査又は立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 

第23条

第7条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、一万円以下の過料に処する。

 

第24条

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第20条から第22条までに規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

 

附則 

(施行期日) この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日41政令117号により、昭41.04.15>から施行する。

 

附則 (昭55.05.26法律60号)抄

第2条(経過措置) この法律の施行の際現に存する古都保存法第5条第1項の規定により決定された歴史的風土保存計画のうち、明日香村の区域に係る部分は、第2条第3項の規定による明日香村歴史的風土保存計画の公示の日以後その効力を失う。

第3条 @ この法律の施行の際現に存する古都保存法第四条第一項の規定による明日香村の区域内の歴史的風土保存区域の指定は、第3条第1項の都市計画についての都市計画法(昭和43年法律第100号)第20条第1項の規定による告示の日(以下「告示の日」という。)以後その効力を失う。

A 前項に規定する明日香村の区域内の歴史的風土保存区域に関しては、告示の日の前日までは、古都保存法第7条の規定を適用する。

第4条 この法律の施行の際現に存する古都保存法第6条第1項の規定により定められている明日香村の区域内の歴史的風土特別保存地区に関する都市計画は、告示の日の前日までは、なおその効力を有する。

 

附則 (平05.11.12法律89号)抄

第1条(施行期日) この法律は、行政手続法(平成5年法律第88号)の施行の日平成6年10月1日>から施行する。

第2条(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置) この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第13条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

第14条(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置) この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。

 

附則 (平11.07.16法律87号)抄

第1条(施行期日) この法律は、平成12年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。<以下、省略>

第159条(国等の事務) この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第161条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。


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