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 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法


     制定 昭和53年 5月13日 法律第42号
   最近改正 平成11年12月22日 法律第160号
     施行 平成13年 1月 6日


 第1条(目的)
 この法律は、新東京国際空港及びその周辺において暴力主義的破壊活動が行われている最近の異常な事態にかんがみ、当分の間、新東京国際空港若しくはその機能に関連する施設の設置若しくは管理を阻害し、又は新東京国際空港若しくはその周辺における航空機の航行を妨害する暴力主義的破壊活動を防止するため、その活動の用に供される工作物の使用の禁止等の措置を定め、もつて新東京国際空港及びその機能に関連する施設の設置及び管理の安全の確保を図るとともに、航空の安全に資することを目的とする。

 
第2条(定義等)
 @ この法律において「暴力主義的破壊活動等」とは、新東京国際空港若しくは新東京国際空港における航空機の離陸若しくは着陸の安全を確保するために必要な航空保安施設若しくは新東京国際空港の機能を確保するために必要な施設のうち政令で定めるものの設置若しくは管理を阻害し、又は新東京国際空港若しくはその周辺における航空機の航行を妨害する次の各号に掲げる行為の一をすることをいう。
  一 刑法(明治40年法律第45号)第95条(公務執行妨害及び職務強要)、第106条(騒乱)、第108条(現住建造物等放火)、第109条第一項(非現住建造物等放火)、第110条第一項(建造物等以外放火)、第117条第一項(激発物破裂)、第125五条第一項(往来危険)、第126条第一項(汽車転覆等)、第130条(住居侵入等)、第142条から第144条まで(浄水汚染、水道汚染、浄水毒物等混入)、第146条(水道毒物等混入及び同致死)、第147条(水道損壊及び閉塞)、第199条(殺人)、第208条の2(凶器準備集合及び結集)、第220条(逮捕及び監禁)、第234条(威力業務妨害)、第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)、第260条(建造物等損壊及び同致死傷)又は第261条(器物損壊等)に規定する行為
  二 爆発物取締罰則(明治17年太政官布告第32号)第一条(爆発物使用)に規定する行為
  三 暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)第一条(集団的暴行等)に規定する行為
  四 消防法(昭和23年法律第186号)第39条の2第一項(危険物の漏出等)に規定する行為
  五 電波法(昭和25年法律第131号)第106条第一項(虚偽の通信)又は第108条の二第一項(無線通信の妨害)に規定する行為
  六 航空法(昭和27年法律第231号)第53条(禁止行為)、第56条において準用する同法第49条第一項(物件の制限等)又は第99条の2第一項(飛行に影響を及ぼすおそれのある行為)の規定に違反してする行為
  七 有線電気通信法(昭和28年法律第96号)第13条(有線電気通信の妨害)に規定する行為
  八 航空機の強取等の処罰に関する法律(昭和45年法律第68号)第1条第一項(航空機の強取等)に規定する行為
  九 火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和47年法律第17号)第2条第一項(火炎びんの使用)に規定する行為
  十 航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律(昭和49年法律第87号)第1条(航空の危険を生じさせる行為)、第2条第一項(航行中の航空機を墜落させる等の行為)又は第3条第一項(業務中の航空機の破壊等)に規定する行為
  十一 人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和53年法律第48号)第1条第一項若しくは第二項(人質による強要等)、第2条又は第3条(加重人質強要)に規定する行為
 A この法律において「暴力主義的破壊活動者」とは、暴力主義的破壊活動等を行い、又は行うおそれがあると認められる者をいう。
 B この法律において「規制区域」とは、次の各号に掲げる区域をいう。
  一 新東京国際空港の範囲内の区域及びその範囲の外側三千メートルの線までの区域
  二 新東京国際空港における航空機の離陸若しくは着陸の安全を確保するために必要な航空保安施設又は新東京国際空港の機能を確保するために必要な施設のうち第一項の政令で定めるものから三千メートルの範囲内で政令で定める区域
 C 国土交通大臣は、規制区域を告示しなければならない。

 
第3条(工作物の使用の禁止等)
 @ 国土交通大臣は、規制区域内に所在する建築物その他の工作物について、その工作物が次の各号に掲げる用に供され、又は供されるおそれがあると認めるときは、当該工作物の所有者、管理者又は占有者に対して、期限を付して、当該工作物をその用に供することを禁止することを命ずることができる。
  一 多数の暴力主義的破壊活動者の集合の用
  二 暴力主義的破壊活動等に使用され、又は使用されるおそれがあると認められる爆発物、火炎びん等の物の製造又は保管の場所の用
  三 新東京国際空港又はその周辺における航空機の航行に対する暴力主義的破壊活動者による妨害の用
 A 国土交通大臣は、前項の禁止命令をしようとする場合において、当該禁止を命ぜられるべき者を確知することができないとき、又は当該命令を伝達することができないときは、公告によりこれを行うことができる。
 B 国土交通大臣は、第一項の禁止命令をした場合において必要があると認めるときは、当該命令の履行を確保するため必要な限度において、その職員をして、当該工作物に立ち入らせ、又は関係者に質問させることができる。
 C 前項の規定により立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
 D 第三項の規定による立入り又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
 E 国土交通大臣は、第一項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されていると認めるときは、当該工作物について封鎖その他その用に供させないために必要な措置を講ずることができる。
 F 国土交通大臣は、前項の規定により封鎖その他の措置を講じた場合において、その必要がなくなつたときは、速やかに、当該措置を解除しなければならない。
 G 国土交通大臣は、第一項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されている場合においては、当該工作物の現在又は既往の使用状況、周辺の状況その他諸般の状況から判断して、暴力主義的破壊活動等にかかわるおそれが著しいと認められ、かつ、他の手段によつては同項の禁止命令の履行を確保することができないと認められるときであつて、第一条の目的を達成するため特に必要があると認められるときに限り、当該工作物を除去することができる。
 H 国土交通大臣は、第六項又は前項の措置を講じようとするときは、必要な限度において、これらの項の工作物の所在する土地並びに当該工作物及び土地以外の物件及び土地を使用し、除去その他の処分をし、又はその使用を制限することができる。
 I 国土交通大臣は、第六項又は第八項の措置を講じようとする場合において必要があると認めるときは、その現場にある者を退去させることができる。
 J 国土交通大臣は、第八項又は第九項の規定により工作物その他の物件を除去した場合において、当該物件の所有者、占有者その他当該物件について権原を有する者(以下「所有者等」という。)を確知することができないため所有者等に対し当該物件を返還することができないときは、当該物件を保管しなければならない。
 K 国土交通大臣は、前項の規定により物件を保管したときは、当該物件の所有者等に対し当該物件を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。
 L 国土交通大臣は、第十一項の規定により保管した物件が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、当該物件を売却し、その売却した代金を保管することができる。
 M 前三項に規定する保管、公示、売却等に要した費用は、当該物件の返還を受けるべき所有者等の負担とし、その費用の徴収については、行政代執行法(昭和23年法律43号)第五条及び第六条の規定を準用する。
 N 第十二項に規定する公示の日から起算して六月を経過してもなお第十一項の規定により保管した物件(第十三項の規定により売却した代金を含む。)を返還することができないときは、当該物件の所有権は、国に帰属する。
 O 国土交通大臣は、第一項又は第六項から第八項までの規定による権限を行使する場合においては、その要件の事実につき、関係行政機関に対し、必要な資料の提供及び意見の提出を求めるものとする。

 
第4条(損失の補償)
 @ 国は、前条第六項又は第八項から第十項までの規定による措置が講じられたことにより損失を受けた者に対し、通常生ずべき損失を補償するものとする。
 A 前項の補償については、国土交通大臣は、自己の見積つた金額を、同項の規定による補償を受けようとする者の請求により、その者に支払うものとする。この場合において、当該金額について不服がある者は、その交付の決定の通知を受けた日から三月以内に、訴えをもつてその増額を請求することができる。
 B 前項の訴えにおいては、国を被告とする。

 
第5条(物件の一時保管等)
 @ 第3条第八項の規定は、暴力主義的破壊活動者が規制区域内において所持し、又は使用する物件について準用する。この場合において、同項中「第一項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる用に供されている」とあるのは「物件が第一項各号に掲げる用に供され、又は供されるおそれがある」と、「他の手段によつては同項の禁止命令の履行を確保することができないと認められるときであつて、第1条の目的」とあるのは「第1条の目的」と、「除去する」とあるのは「一時保管する」と読み替えるものとする。
 A 国土交通大臣は、前項において準用する第3条第八項の規定により一時保管した場合において、その必要がなくなつたときは、速やかに、当該物件を本人(当該物件について本人に対し返還請求権を有することが明らかな者がある場合においては、その者)に返還しなければならない。
 B 第3条第十六項の規定は第一項において準用する同条第八項の規定による権限の行使について、同条第十一項から第十五項までの規定は前項の規定による当該物件の返還について準用する。

 
第6条(新東京国際空港公団による事務の実施)
 @ 国土交通大臣は、第3条第六項、第七項、第八項(前条第一項において準用する場合を含む。)、第九項若しくは第十項の規定による措置を講じるとき、又は第3条第十一項から第十四項まで(前条第三項において準用する場合を含む。)の規定による保管、売却若しくは費用の徴収を行うときは、新東京国際空港公団に、当該措置を実施させ、又は当該保管、売却若しくは費用の徴収を行わせることができる。
 A 前項の事務に従事する新東京国際空港公団の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
 B 第一項の規定により新東京国際空港公団が同項の事務を行うときは、当該事務に従事する新東京国際空港公団の職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 
第7条(国土交通大臣の権限の行使)
 @ 国土交通大臣は、その指定する職員に、第3条第六項、第七項、第八項(第5条第一項において準用する場合を含む。)、第九項及び第十項並びに前条第一項の規定による権限を行わせることができる。
 A 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 
第8条(関係行政機関の協力)
 関係行政機関は、この法律の実施について、国土交通大臣に協力しなければならない。

 
第8条の2(行政手続法の適用除外)
 第3条第一項の規定による命令については、行政手続法(平成5年法律第88号)第三章の規定は、適用しない。

 
第9条(罰則)
 @ 第3条第一項の規定による国土交通大臣の禁止命令に違反して建築物その他の工作物を同項各号に掲げる用に供した者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
 A 第3条第三項の規定による立入りを拒み、若しくは妨げ、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、五万円以下の罰金に処する。

 
附 則 抄
 
1(施行期日) この法律は、公布の日から施行する。

 
附 則 抄(昭62.06.02法律52号)
 
1(施行期日) この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第1条中刑法第4条の次に一条を加える改正規定、第2条及び第3条の規定並びに次項の規定及び附則第四項中新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和53年法律第42号)第2条第一項第十一号の改正規定は、国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約又は人質をとる行為に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。

 
附 則 抄(平05.11.12法律89号)
 
第1条(施行期日) この法律は、行政手続法(平成5年法律第88号)の施行の日から施行する。

 
附 則 抄(平11.12.22法律160号)
 
第1条(施行期日) この法律(第条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。