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  原子力基本法


     制定  昭和30年12月19日 法律第186号)
     施行  昭和31年 1月 1日
   最近改正  平成11年 7月16日 法律第102号
     施行  平成13年 1月 6日


  第一章 総則
 
第1条(目的)
 この法律は、原子力の研究、開発及び利用を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする。

 
第2条(基本方針)
 原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。

 
第3条(定義)
 この法律において次に掲げる用語は、次の定義に従うものとする。
  一 「原子力」とは、原子核変換の過程において原子核から放出されるすべての種類のエネルギーをいう。
  二 「核燃料物質」とは、ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する物質であつて、政令で定めるものをいう。
  三 「核原料物質」とは、ウラン鉱、トリウム鉱その他核燃料物質の原料となる物質であつて、政令で定めるものをいう。
  四 「原子炉」とは、核燃料物質を燃料として使用する装置をいう。ただし、政令で定めるものを除く。
  五 「放射線」とは、電磁波又は粒子線のうち、直接又は間接に空気を電離する能力をもつもので、政令で定めるものをいう。

  
第二章 原子力委員会及び原子力安全委員会
 
第4条(設置)
 原子力の研究、開発及び利用に関する国の施策を計画的に遂行し、原子力行政の民主的な運営を図るため、内閣府に原子力委員会及び原子力安全委員会を置く。

 
第5条(任務)
 @ 原子力委員会は、原子力の研究、開発及び利用に関する事項(安全の確保のための規制の実施に関する事項を除く。)について企画し、審議し、及び決定する。
 A 原子力安全委員会は、原子力の研究、開発及び利用に関する事項のうち、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、及び決定する。

 
第6条(組織、運営及び権限)
 原子力委員会及び原子力安全委員会の組織、運営及び権限については、別に法律で定める。

  
第三章 原子力の開発機関
 
第7条(原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構)
 @ 政府の監督の下に、原子力の開発に関する研究及び実験、その他原子力の開発促進に必要な事項を行わせるため原子力研究所を、原子炉のうち高速増殖炉及び核燃料物質に関する開発等を行わせるため核燃料サイクル開発機構を置く。
 A 原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構に関する規定は、別に法律で定める。

  
第四章 原子力に関する鉱物の開発取得
 
第8条(鉱業法の特例)
 核原料物質に関する鉱業権又は租鉱権に関しては、別に法律をもつて、鉱業法(昭和25年法律第289号)の特例を定めるものとする。

 
第9条(買取命令及び譲渡命令)
 政府は、別に法律で定めるところにより、その指定する者に対し、核原料物質を買い取るべきことを命じ、又は核原料物質の生産者又は所有者若しくは管理者に対し、政府の指定する者に核原料物質を譲渡すべきことを命ずることができる。

 
第10条(核原料物質の管理)
 核原料物質の輸入、輸出、譲渡、譲受及び精錬は、別に法律で定めるところにより、政府の指定する者に限つてこれを行わしめるものとする。

 
第11条(奨励金等)
 政府は、核原料物質の開発に寄与する者に対し、予算の範囲内において奨励金又は賞金を交付することができる。

  
第五章 核燃料物質の管理
 
第12条(核燃料物質に関する規制)
 核燃料物質を生産し、輸入し、輸出し、所有し、所持し、譲渡し、譲り受け、使用し、又は輸送しようとする者は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。

 
第13条(核燃料物質の譲渡命令)
 政府は、前条に規定する規制を行う場合において、別に法律で定めるところにより、核燃料物質を所有し、又は所持する者に対し、譲渡先及び価格を指示してこれを譲渡すべきことを命ずることができる。

  
第六章 原子炉の管理
 
第14条(原子炉の建設等の規制)
 原子炉を建設しようとする者は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。これを改造し、又は移動しようとする者も、同様とする。

 
第15条
 原子炉を譲渡し、又は譲り受けようとする者は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。

 
第16条
 前二条に規定する規制に従つて原子炉を建設し、改造し、移動し、又は譲り受けた者は、別に法律で定めるところにより、操作開始前に運転計画を定めて、政府の認可を受けなければならない。

  
第七章 特許発明等に対する措置
 
第17条(特許法による措置)
 政府は、原子力に関する特許発明につき、公益上必要があると認めるときは、特許法(昭和34年法律第121号)第93条の規定により措置するものとする。

 
第18条(譲渡制限)
 原子力に関する特許発明、技術等の国外流出に係る契約の締結は、別に法律で定めるところにより政府の行う規制に従わなければならない。

 
第19条(奨励金等)
 政府は、原子力に関する特許出願に係る発明又は特許発明に関し、予算の範囲内において奨励金又は賞金を交付することができる。

  
第八章 放射線による障害の防止
 
第20条(放射線による障害の防止措置)
 放射線による障害を防止し、公共の安全を確保するため、放射性物質及び放射線発生装置に係る製造、販売、使用、測定等に対する規制その他保安及び保健上の措置に関しては、別に法律で定める。

  
第九章 補 償
 
第21条(補償)
 政府又は政府の指定する者は、この法律及びこの法律を施行する法律に基き、核原料物質の開発のためその権限を行う場合において、土地に関する権利、鉱業権又は租鉱権その他の権利に関し、権利者及び関係人に損失を与えた場合においては、それぞれ法律で定めるところにより、正当な補償を行わなければならない。

 
附 則
 
 この法律は、昭和31年1月1日から施行する。

 
附則(平成10.05.20法律62号)抄
 
第1条(施行期日)  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二条中動力炉・核燃料開発事業団法第31条及び第32条第三項を削る改正規定並びに附則第5条及び第6条の規定については、公布の日から施行する。
 
第2条(核燃料サイクル開発機構への移行)  動力炉・核燃料開発事業団(以下「事業団」という。)は、この法律の施行の時において、核燃料サイクル開発機構(以下「機構」という。)となるものとする。
 
第3条(持分の払戻し)  @ 政府以外の出資者は、機構に対し、この法律の施行の日から起算して一月を経過した日までの間に限り、その持分の払戻しを請求することができる。
 A 機構は、前項の規定による請求があったときは、この法律による改正後の核燃料サイクル開発機構法(以下「新法」という。)第七条第一項の規定にかかわらず、当該持分に係る出資額に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、機構は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
 
第4条(名称の使用制限に関する経過措置)  この法律の施行の際現に核燃料サイクル開発機構という名称を使用している者については、新法第9条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
 
第5条(事業団の役員に関する経過措置)  この法律の施行の日の前日において事業団の役員である者の任期は、この法律による改正前の動力炉・核燃料開発事業団法第14条第一項の規定にかかわらず、その日に満了する。
 
第6条(基本方針に関する経過措置)  @ 内閣総理大臣は、この法律の施行の日前において、原子力委員会の議決を経て新法第27条第一項の規定による基本方針を定めなければならない。
 A 内閣総理大臣は、前項の規定により基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、大蔵大臣及び通商産業大臣に協議しなければならない。ただし、通商産業大臣との協議は、新法第24条第一項第一号イ、ロ及びニに掲げる業務に係る事項に限られるものとする。

 
附則(平成11.07.16法律102号)抄
 
第1条(施行期日)  この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
  一 第一条から第三条までの規定並びに次条及び附則第31条から第38条までの規定  内閣法の一部を改正する法律の施行前の日で別に法律で定める日
  二 附則第10条第一項及び第五項、第14条第三項、第23条、第28条並びに第30条の規定  公布の日
 
第3条(職員の身分引継ぎ)   この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
 
第30条(別に定める経過措置)   第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。


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