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 行政事件訴訟法


     公布(制定) 昭和37年 5月16日 法律139号
     施行     昭和37年10月 1日
     改正     平成1年法律91号、平成8年法律110号


  第1章 総 則

 第1条(この法律の趣旨)
 行政事件訴訟については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。

 第2条(行政事件訴訟)
 この法律において「行政事件訴訟」とは、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟をいう。

 第3条(抗告訴訟)
 @ この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。
 A この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
 B この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求、異議申立てその他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
 C この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。
 D この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分又は裁決をすべきにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。

 第4条(当事者訴訟)
 この法律において「当事者訴訟」とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの及び公法上の法律関係に関する訴訟をいう。

 第5条(民衆訴訟)
 この法律において「民衆訴訟」とは、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいう。

 第6条(機関訴訟)
 この法律において「機関訴訟」とは、国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟をいう。

 第7条(この法律に定めがない事項)
 行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。

  第2章 抗告訴訟

 
第1節 取消訴訟

 第8条(処分の取消しの訴えと審査請求との関係)
 @ 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。
 A 前項ただし書の場合においても、次の各号の1に該当するときは、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
  1 審査請求があつた日から3箇月を経過しても裁決がないとき。
  2 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。
  3 その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
 B 第1項本文の場合において、当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで(審査請求があつた日から3箇月を経過しても裁決がないときは、その期間を経過するまで)、訴訟手続を中止することができる。

 第9条(原告適格)
 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。

 第10条(取消しの理由の制限)
 @ 取消訴訟においては、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない。
 A 処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。

 第11条(被告適格)
 @ 処分の取消しの訴えは、処分をした行政庁を、裁決の取消しの訴えは、裁決をした行政庁を被告として提起しなければならない。ただし、処分又は裁決があつた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、その行政庁を被告として提起しなければならない。
 A 前項の規定により被告とすべき行政庁がない場合には、取消訴訟は、当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体を被告として提起しなければならない。

 第12条(管轄)
 @ 行政庁を被告とする取消訴訟は、その行政庁の所在地の裁判所の管轄に属する。
 A 土地の収用、鉱業権の設定その他不動産又は特定の場所に係る処分又は裁決についての取消訴訟は、その不動産又は場所の所在地の裁判所にも、提起することができる。
 B 取消訴訟は、当該処分又は裁決に関し事案の処理に当たつた下級行政機関の所在地の裁判所にも、提起することができる。

 第13条(関連請求に係る訴訟の移送)
 取消訴訟と次の各号の1に該当する請求(以下「関連請求」という。)に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合において、相当と認めるときは、関連請求に係る訴訟の係属する裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟を取消訴訟の係属する裁判所に移送することができる。ただし、取消訴訟又は関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が高等裁判所であるときは、この限りではない。
 1 当該処分又は裁決に関連する原状回復又は損害賠償の請求
 2 当該処分とともに1個の手続を構成する他の処分の取消しの請求
 3 当該処分に係る裁決の取消しの請求
 4 当該裁決に係る処分の取消しの請求
 5 当該処分又は裁決の取消しを求める他の請求
 6 その他当該処分又は裁決の取消しの請求と関連する請求

 第14条(出訴期間)
 @ 取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から三箇月以内に提起しなければならない。
 A 前項の期間は、不変期間とする。
 B 取消訴訟は、処分又は裁決の日から1年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
 C 第1項及び前項の期間は、処分又は裁決につき審査請求をすることができる場合又は行政庁が誤つて審査請求をすることができる旨を教示した場合において、審査請求があつたときは、その審査請求をした者については、これに対する裁決があつたことを知つた日又は裁決の日から起算する。

 第15条(被告を誤った訴えの救済)
 @ 取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤つたときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、被告を変更することを許すことができる。
 A 前項の決定は、書面でするものとし、その正本を新たな被告に送達しなければならない。
 B 第1項の決定があつたときは、出訴期間の遵守については、新たな被告に対する訴えは、最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなす。
 C 第1項の決定があつたときは、従前の被告に対しては、訴えの取り下げがあつたものとみなす。
 D 第1項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
 E 第1項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 F 上訴審において第1項の決定をしたときは、裁判所は、その訴訟を管轄裁判所に移送しなければならない。

 第16条(請求の客観的併合)
 @ 取消訴訟には、関連請求に係る訴えを併合することができる。
 A 前項の規定により訴えを併合する場合において、取消訴訟の第1審裁判所が高等裁判所であるときは、関連請求に係る訴えの被告の同意を得なければならない。被告が異議を述べないで、本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、同意したものとみなす。

 第17条(共同訴訟)
 @ 数人は、その数人の請求又はその数人に対する請求が処分又は裁決の取消しの請求と関連請求とである場合に限り、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。
 A 前項の場合には、前条第2項の規定を準用する。

 第18条(第三者による請求の追加的併合)
 第三者は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、その訴訟の当事者の一方を被告として、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。この場合において、当該取消訴訟が高等裁判所に係属しているときは、第16条第2項の規定を準用する。

 第19条(原告による請求の追加的併合)
 @ 原告は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。この場合において、当該取消訴訟が高等裁判所に係属しているときは、第16条第2項の規定を準用する。
 A 前項の規定は、取消訴訟について民事訴訟法(平成8年法律第19号)第143条の規定の例によることを妨げない。

 第20条
 前条第1項前段の規定により、処分の取消しの訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えに併合して提起する場合には、同項後段において準用する第16条第2項の規定にかかわらず、処分の取消しの訴えの被告の同意を得ることを要せず、また、その提起があつたときは、出訴期間の遵守については、処分の取消しの訴えは、裁決の取消しの訴えを提起した時に提起されたものとみなす。

 第21条(国又は公共団体に対する請求への訴えの変更)
 @ 裁判所は、取消訴訟の目的たる請求を当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てにより、決定をもつて、訴えの変更を許すことができる。
 A 前項の決定には、第15条第2項の規定を準用する。
 B 裁判所は、第1項の規定により訴えの変更を許す決定をするには、あらかじめ、当事者及び損害賠償その他の請求に係る訴えの被告の意見をきかなければならない。
 C 訴えの変更を許す決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 D 訴えの変更を許さない決定に対しては、不服を申し立てることができない。

 第22条(第三者の訴訟参加)
 @ 裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、当事者若しくはその第三者の申立てにより又は職権で、決定をもつて、その第三者を訴訟に参加させることができる。
 A 裁判所は、前項の決定をするには、あらかじめ、当事者及び第三者の意見をきかなければならない。
 B 第1項の申立てをした第三者は、その申立てを却下する決定に対して即時抗告をすることができる。
 C 第1項の規定により訴訟に参加した第三者については、民事訴訟法第4条第1項から第3項までの規定を準用する。
 D 第1項の規定により第三者が参加の申立てをした場合には、民事訴訟法第45条第3項及び第4項の規定を準用する。

 第23条(行政庁の訴訟参加)
 @ 裁判所は、他の行政庁を訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、当事者若しくはその行政庁の申立てにより又は職権で、決定をもつて、その行政庁を訴訟に参加させることができる。
 A 裁判所は、前項の決定をするには、あらかじめ、当事者及び当該行政庁の意見をきかなければならない。
 B 第1項の規定により訴訟に参加した行政庁については、民事訴訟法第45条第1項及び第2項の規定を準用する。

 第24条(職権証拠調べ)
 裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができる。ただし、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない。

 第25条(執行停止)
 @ 処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
 A 処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によつて目的を達することができる場合には、することができない。
 B 執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。
 C 前2項の決定は、疎明に基づいてする。
 D 第2項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。
 E 第2項の申立てに対する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
 F 第2項の決定に対する即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しない。

 第26条(事情変更による執行停止の取消し)
 @ 執行停止の決定が確定した後に、その理由が消滅し、その他事情が変更したときは、裁判所は、相手方の申立てにより、決定をもつて、執行停止の決定を取り消すことができる。
 A 前項の申立てに対する決定及びこれに対する不服については、前条第4項から第7項までの規定を準用する。

 第27条(内閣総理大臣の異議)
 @ 第25条第2項の申立てがあつた場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる。執行停止の決定があつた後においても、同様とする。
 A 前項の異議には、理由を附さなければならない。
 B 前項の異議の理由においては、内閣総理大臣は、処分の効力を存続し、処分を執行し、又は手続を続行しなければ、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのある事情を示すものとする。
 C 第1項の異議があつたときは、裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない。
 D 第1項後段の異議は、執行停止の決定をした裁判所に対して述べなければならない。ただし、その決定に対する抗告が抗告裁判所に係属しているときは、抗告裁判所に対して述べなければならない。
 E 内閣総理大臣は、やむをえない場合でなければ、第1項の異議を述べてはならず、また、異議を述べたときは、次の常会において国会にこれを報告しなければならない。

 第28条(執行停止等の管轄裁判所)
 執行停止又はその決定の取消しの申立ての管轄裁判所は、本案の係属する裁判所とする。

 第29条(執行停止に関する規定の準用)
 前4条の規定は、裁決の取消しの訴えの提起があつた場合における執行停止に関する事項について準用する。

 第30条(裁量処分の取消し)
 行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。

 第31条(特別の事情による請求の棄却)
 @ 取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。
 A 裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもつて、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。
 B 終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。

 第32条(取消判決等の効力)
 @ 処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する。
 A 前項の規定は、執行停止の決定又はこれを取り消す決定に準用する。

 第33条
 @ 処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、当事者たる行政庁その他の関係行政庁を拘束する。
 A 申請を却下し若しくは棄却した処分又は審査請求を却下し若しくは棄却した裁決が判決により取消されたときは、その処分又は裁決をした行政庁は、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない。
 B 前項の規定は、申請に基づいてした処分又は審査請求を認容した裁決が判決により手続に違法があることを理由として取り消された場合に準用する。
 C 第1項の規定は、執行停止の決定に準用する。

 第34条(第三者の再審の訴え)
 @ 処分又は裁決を取り消す判決により権利を害された第三者で、自己の責に帰することができない理由により訴訟に参加することができなかつたため判決に影響を及ぼすべき攻撃又は防御の方法を提出することができなかつたものは、これを理由として、確定の終局判決に対し、再審の訴えをもつて、不服の申立てをすることができる。
 A 前項の訴えは、確定判決を知つた日から3日以内に提起しなければならない。
 B 前項の期間は、不変期間とする。
 C 第1項の訴えは、判決が確定した日から1年を経過したときは、提起することができない。

 第35条(訴訟費用の裁判の効力)
 国又は公共団体に所属する行政庁が当事者又は参加人である訴訟における確定した訴訟費用の裁判は、当該行政庁が所属する国又は公共団体に対し、又はそれらの者のために、効力を有する。

 第2節 その他の抗告訴訟

 第36条(無効等確認の訴えの原告適格)
 無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分により損害を受ける恐れのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができる。

 第37条(不作為の違法確認の訴えの原告適格)
 不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができる。

 第38条(取消訴訟に関する規定の準用)
 @ 第11条から第13条まで、第16条から第19条まで、第21条から第24条まで、第33条及び第35条の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟に準用する。
 A 第10条第2項の規定は、処分の無効等確認の訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決に係る抗告訴訟とを提起することができる場合に、第20条の規定は、処分の無効等確認の訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決に係る抗告訴訟に併合して提起する場合に準用する。
 B 第25条から第29条まで及び第32条第2項の規定は、無効等確認の訴えに準用する。
 C 第8条及び第10条第2項の規定は、不作為の違法確認の訴えに準用する。

  第3章 当事者訴訟

 第39条(出訴の通知)
 当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で、法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものが提起されたときは、裁判所は、当該処分又は裁決をした行政庁にその旨を通知するものとする。

 第40条(出訴期間の定めがある当事者訴訟)
 @ 当事者訴訟につき法令に出訴期間の定めがあるときは、その期間は、不変期間とする。
 A 第15条の規定は、出訴期間の定めがある当事者訴訟に準用する。

 第41条(抗告訴訟に関する規定の準用)
 @ 第23条、第24条、第33条第1項及び第35条の規定は、当事者訴訟に準用する。
 A 第13条の規定は、当事者訴訟とその目的たる請求と関連請求の関係にある請求に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合における移送に、第16条から第19条までの規定は、これらの訴えの併合について準用する。

  第4章 民衆訴訟及び機関訴訟

 第42条(訴えの提起)
 民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。

 第43条(抗告訴訟又は当事者訴訟に関する規定の準用)
 @ 民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、第9条及び第1条第1項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する。
 A 民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の無効の確認を求めるものについては、第36条の規定を除き、無効等確認の訴えに関する規定を準用する。
 B 民衆訴訟又は機関訴訟で、前2項に規定する訴訟以外のものについては、第39条及び第4条第1項の規定を除き、当事者訴訟に関する規定を準用する。

  第5章 補 則

 第44条(仮処分の排除)
 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法(平成元年法律第91号)に規定する仮処分をすることができない。

 第45条(処分の効力等を争点とする訴訟)
 @ 私法上の法律関係に関する訴訟において、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無が争われている場合には、第23条第1項及び第2項並びに第39条の規定を準用する。
 A 前項の規定により行政庁が訴訟に参加した場合には、民事訴訟法第45条第1項及び第2項の規定を準用する。ただし、攻撃又は防御の方法は、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無に関するものに限り、提出することができる。
 B 第1項の規定により行政庁が訴訟に参加した後において、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無に関する争いがなくなつたときは、裁判所は、参加の決定を取り消すことができる。
 C 第1項の場合には、当該争点に関し第24条の規定を、訴訟費用の裁判に関し第35条の規定を準用する。


 附 則
 
第1条(施行期日) この法律は、昭和37年10月1日から施行する。

 第2条(行政事件訴訟特例法の廃止) 行政事件訴訟特例法(昭和23年法律第81号。以下「旧法」という。)は廃止する。

 第3条(経過措置に関する原則) この法律は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、旧法によつて生じた効力を妨げない。

 第4条(訴願前置に関する経過措置) 法令の規定により訴願をすることができる処分又は裁決であつて、訴願を提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものの取消訴訟の提起については、この法律の施行後も、なお旧法第2条の例による。

 第5条(取消しの理由の制限に関する経過措置) この法律の施行の際現に係属している裁決の取消しの訴えについては、第10条第2項の規定を適用しない。

 第6条(被告適格に関する経過措置) この法律の施行の際現に係属している取消訴訟の被告適格については、なお従前の例による。

 第7条(出訴期間に関する経過措置) @ この法律の施行の際に旧法第5条第1項の期間が進行している処分又は裁決の取消しの訴えの出訴期間で、処分又は裁決があつたことを知つた日を基準とするものについては、なお従前の例による。ただし、その期間は、この法律の施行の日から起算して三箇月をこえることができない。
 A この法律の施行の際現に旧法第5条第3項の期間が進行している処分又は裁決の取消しの訴えの出訴期間で、処分又は裁決があつた日を基準とするものについては、なお従前の例による。
 B 前2項の規定は、この法律の施行後に審査請求がされた場合における第14条第4項の規定の適用を妨げない。

 第8条(取消訴訟以外の抗告訴訟に関する経過措置) @ 取消訴訟以外の抗告訴訟で、この法律の施行の際現に係属しているものの原告適格及び被告適格については、なお従前の例による。
 A 附則第5条の規定は、処分の無効等確認の訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決に係る抗告訴訟とを提起することができる場合に準用する。

 第9条(当事者訴訟に関する経過措置) 第39条の規定は、この法律の施行後に提起される当事者訴訟についてのみ、適用する。

 第10条(民衆訴訟及び機関訴訟に関する経過措置) 民衆訴訟及び機関訴訟のうち、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、取消訴訟に関する経過措置に関する規定を、処分又は裁決の無効の確認を求めるものについては、無効等確認の訴えに関する経過措置に関する規定を準用する。

 第11条 (処分の効力等を争点とする訴訟に関する経過措置) 第39条の規定は、この法律の施行の際現に係属している私法上の法律関係に関する訴訟については、この法律の施行後に新たに処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無が争われるに至つた場合にのみ、準用する。


 行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律整理法 附則(昭和37・5・16法140)(抄)

  この法律は、昭和37年10月1日から施行する。

  この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

  この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。

  この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。

  この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。

  この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることになつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。

  この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。

  前項ただし書きの場合には、行政事件訴訟法第18条後段及び第21条第2項から第5項までの規定を準用する。


 民事訴訟法 附則(平成8・6・26法109)(抄)

 第1条(施行期日) この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第27条の規定は、公布の日から施行する。

 第13条 (準備手続に関する経過措置) 新法の施行前に付された準備手続に関しては、期日の呼出し及び送達に関する事項を除き、なお従前の例による。


 民事訴訟法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(抄)(平成8・6・26法110)

 第36条(行政事件訴訟法の1部改正に伴う経過措置) 新民訴法附則第13条の規定により前条の規定の施行後も従前の例によることとされる準備手続において、被告が異議を述べないで申述した場合における関連請求については、なお従前の例による。

 附 則
 この法律は、新民訴法の施行の日から施行する。


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