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   地方分権推進委員会意見――分権型社会の創造――
 
 第2章 法令における条例・規則への委任のあり方について・別表4

2000年08月08日  地方分権推進委員会


 目  次
 はじめに
 第1章 国庫補助負担金の整理合理化と当面の地方税源の充実確保策について
 第2章 法令における条例・規則への委任のあり方について
 第3章 個別法に関する諸点について
 おわりに
 (別紙1)(経常的国庫負担金)地方財政法第10条、第10条の3及び第34条の国庫負担金に区分するもの
 (別紙2)(建設事業費国庫負担金)地方財政法第10条の2の国庫負担金に区分するもの
 (別紙3)(国庫補助金)地方財政法第16条の国庫補助金に区分するもの
 (別紙4)法令において地方公共団体の条例、規則等へ委任する場合の基本的考え方
 (別表)改正地方自治法第14条第2項の対象となる事項について


 第2章 法令における条例・規則への委任のあり方について

 現在、法令においては、その具体的な内容等の一部を地方公共団体の法規等に委任し、地方公共団体の判断に委ねているものが存在する。その形式としては、
 ア 地方公共団体の条例に委任しているもの
 イ 地方公共団体の規則に委任しているもの
 ウ 「‥については都道府県知事が定める」等のように、法形式を特定せず地方公共団体の執行機関に委任しているもの
等様々な事例が見られる。
 これらの中には、機関委任事務であることを理由として条例に委任せず、規則や執行機関に委任することとしたものもあると考えられるが、機関委任事務制度の廃止に伴い、規則や執行機関に委任することの合理性を改めて検討する必要がある。
 また、改正地方自治法第14条第2項では、「普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。」と規定しているが、この「法令に特別の定めがある場合」が立法論としてどのような場合を想定しているのか、必ずしも十分な整理がなされていないのではないかと考えられる。
 当委員会としては、このような問題意識に基づき、政府に対し、各個別法において地方公共団体の規則等に委任している事例について見直しを行う必要があるのではないかという問題提起を昨年11月に行ったところである。 当委員会の問題提起を踏まえ、政府においては、内閣内政審議室が中心となって地方分権推進連路会議の場等を通じ、今回の立法論に関する考え方について各省庁の合意を取りまとめ、これについて、当委員会としても報告を受けた。
 政府の基本的な考え方の主要な点は、別紙4のとおりである。その内容は、個別の法令により権利義務規制を行うための基本的な規範の定立を地方公共団体の法規に委任する場合にも、規則等ではなく条例に委任することを原則とし、例外を機動性という観点から規則等に委任することに合理性がある場合等に限定しているものとなっている。
 また、政府においては、この考え方に基づき、所要の法令改正作業を進めるとのことであり、当委員会は、この政府において取りまとめた考え方を基本的には是とするところである。
 なお、「都道府県公安委員会の規則等への委任については、公安委員会制度のあり方にも関わることから、別途検討するものとする。」とされているところであるが、個別の法令により権利義務規制を行うための基本的な規範の定立を地方公共団体の法規に委任する場合には、規則等ではなく条例に委任することを原則とするとの考え方を十分に尊重すべきである。
 当委員会としては、政府において取りまとめた基本的な考え方に基づく所要の法令改正を速やかに行うべきであると考えている。政府は、平成13年の通常国会に所要の法律案を提出することを基本として改正作業に取り組まれたい。また、この法令改正に当たっては、できる限り−括化し、網羅的に行うべきである。
 この法令改正を受けて、地方公共団体は条例制定作業を行うことになるが、その際には、十分な準備期間を置くとともに、適時、適切な情報提供を行うべきである。


 (別紙4) 法令において地方公共団体の条例、規則等へ委任する場合の基本的考え方

 (1) 改正地方自治法第14条第2項においては、地方公共団体が住民に義務を課し、又 は権利を制限(以下、「権利義務規制」という。)するには、条例によらなければならないこととされている。

 (2) この趣旨を踏まえ、法令により、権利義務規制を行うための基本的な規範の定立を地方公共団体の法規に委任する場合にも、規則等ではなく条例に委任することを原則とする。

 (3) ただし、以下のような場合には、「法令に特別の定め」を設けて例外的に規則等に委任することとしても差し支えないこととする。
 @ 機動性という観点から、規則等で行うことに相当の合理性がある場合(社会経済情勢等の変更・変遷に即応し、機動的に制定又は改廃されなければならない性質をもつもの。なお、その判断は、これまでも頻繁に改廃されているなど、客観的な根拠に基づき行うものとする。)
 A 規則の実効性を担保するために必要な行政罰(過料)を規則で設ける場合(地方自治法第15条第2項)

 (4) なお、以下のような事項については、そもそも改正地方自治法第14条第2項の射程外であることから、上記立法論の対象とはしない。
 @ 権利義務規制に関連しない事項
 A 権利義務規制に関連する事項であるが、地方公共団体の執行機関の個別執行活動として整理されるものであり、基本的な規範の定立に該当しない事項
 A 法令に規定されている権利義務規制の個別具体的な事例へのあてはめを規則等に委ねているもの
 B 権利義務規制に関連する事項であり、かつ、基本的な規範の定立に該当する事項であるが、その内容は法令に規定されている権利義務規制に関する付随的事項に限定されたものであり、かつ、独自の権利義務規制を新たに創設するものではない事項
 A 法令に規定されている権利義務規制に関する一定の算式、手法等に基づく数値の算出等を規則に委ねているもの
 B 法令に規定されている権利義務規制に関する様式、添付書類、受付窓口等の手続的事項を規則に委ねているもの
 (参考) 改正地方自治法第14条第2項の射程範囲については、別表を参照のこと

 (5) また、公物管理権等の物的支配権に基づく規制については、公共用物と公用物とを区別し、公共用物に係る権利義務規制については、原則として条例によるべき必要があるが、公用物については侵害留保原則の対象外として、改正地方自治法第14条第2項の射程外である。

 (6) 都道府県公安委員会の規則等への委任については、公安委員会制度のあり方にも関わることから、別途検討するものとする。


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