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規制改革・民間開放推進3か年計画
2004年03月19日 閣議決定
政府は、これまで、3次にわたる「規制改革(緩和)推進計画」を策定し、これを強力に推進することにより、行政の各般の分野について、概ね5,000項目以上にのぼる数多くの規制改革を実施してきた。このように、規制改革は着実に進みつつあるものの、依然多くの本格的に取り組むべき課題が残っており、改革はなお途上にある。
規制改革は、引き続き、構造改革の重要な柱であり、今後とも民間開放をはじめ困難な課題に強力かつ着実に取り組んでいく。このため、平成16年度速やかに、総理の諮問機関として民間人主体の「規制改革・民間開放推進会議」を設置するとともに、これと並んで、政府にも関係閣僚から構成される「規制改革・民間開放推進本部」(仮称。以下同じ。)を設け、政治的リーダーシップの下、本格的な取組を進めるための体制を整備する。
また、このような体制整備と併せ、構造改革特別区域推進本部等の関連する諸組織との連携や、規制影響分析(RIA)等の規制改革手法の導入・充実のほか、平成15年度から開始した国民の声を広く丁寧に汲み上げる「規制改革集中受付月間」活動の推進や、広報等を通じた国民への情報提供の充実等、規制改革を国民本位の改革として、一層力強く推進していく。
T 共通的事項
(1)本計画の目的
本計画は、@経済活性化による持続的な経済成長の達成、A透明性が高く公正で信頼できる経済社会の実現、B多様な選択肢の確保された国民生活の実現、C国際的に開かれた経済社会の実現等を図り、もって、生活者・消費者本位の経済社会システムの構築と経済の活性化を同時に実現する観点から、行政の各般の分野について、民間開放その他の規制の在り方の改革の積極的かつ抜本的な推進を図り、経済社会の構造改革を一層加速することを目的とする。
(2)本計画の基本的性格
上記の目的を達成するため、本計画においては、当面の改革事項として、総合規制改革会議の「規制改革の推進に関する第3次答申」(平成15年12月22日)を始めとするこれまでの答申、「構造改革特別区域基本方針」(平成15年1月24日閣議決定)、「規制改革集中受付月間」(平成15年6月及び11月)等によりこれまで明らかにされた規制改革関連事項について、これを平成16年度から18年度までの3か年にわたって取り組む事項として確定することにより、その着実かつ速やかな実施を図ることとする。
2 規制改革の推進に伴う諸措置及び関連改革との連携等
規制の見直しに当たっては、これと併せて、(@)活力ある競争社会の前提条件となる社会的安定機能(セーフティネット)の確保、(A)経済活力維持・向上の観点からの公的分野の合理化・効率化・民間開放、(B)企業製品等に対する国民の不安を解消し、疑念を払拭するため、特に国民の安全を確保する観点からの事業者における自己責任体制の確立・情報公開等の徹底、(C)
事前規制型行政から事後チェック型行政に転換していくことに伴う新たなルールの創設及びこれに係る法体系の抜本的見直し、(D)社会的に必要な規制の実効性の確保・向上等の諸措置を実施する。
このほか、次のとおり、規制改革と密接不可分の各分野の改革との連携を図る。
(@) 市場機能をより発揮するための競争政策の積極的展開
(A) 行政組織、予算、税制、補助金、特殊法人、公益法人、地方行政等の分野の改革との連携
また、国民の側からも、消費者・生活者として、規制改革が期待された効果をもたらすよう関心を持ち、これに主体的に貢献できるようにすることが重要であるとの観点に立って、各府省において規制改革の取組状況等について積極的な情報の提供を行うものとする。
3 規制改革・民間開放推進会議による規制改革への抜本的取組
規制改革・民間開放推進会議は、経済社会の構造改革の視点を踏まえた広範な取組を通じて規制改革を推進するための審議を行うとともに、本計画の実施状況(「共通的事項」の実施状況を含む。)の監視を行い、本計画に掲げられた各改革事項の推進を図るものとする。また、本計画は、規制改革・民間開放推進会議における審議結果等を踏まえ改定するものとする。
4 規制改革・民間開放推進本部の設置と規制改革・民間開放推進会議との連携
総理の下で、関係閣僚もしっかり関与して議論、決定する仕組みとして、関係閣僚から構成され、また、規制改革・民間開放推進会議の主要メンバーも参加する「規制改革・民間開放推進本部」を平成16年度速やかに設置する。規制改革・民間開放推進本部は、規制改革・民間開放推進会議の意見を最大限尊重して「規制改革・民間開放に関する基本方針」(仮称)を定め、本部と会議が、両輪となって規制改革を強力かつ着実に推進するものとする。
5 構造改革特区等の活用による規制改革の加速化
総合規制改革会議が提言した「規制改革特区」をベースとして基本理念の構築や制度設計が行われた構造改革特区制度は、様々な事情により進展が遅い分野がある全国規模での規制改革について、地域の特性に応じた規制の特例を導入することによって、「全国規模の規制改革に繋がる突破口」となるものである。
具体的には、構造改革特区制度を活用した規制改革の検討に当たっては、可能な限り「全国規模で実施するか」「特区で先行的に実施するか」の二者択一をするという考え方を前提とし、仮に全国規模での規制改革を直ちに実施することが難しいとされているものであっても、特区において先行的に実施することにより、規制改革の加速化を図っていく。
また、定期的に地方公共団体や民間事業者等から受け付けた提案に基づく規制改革事項については、「構造改革特別区域基本方針の一部変更について」(平成16年2月24日閣議決定)において、特区で講じる規制の特例措置が掲げられている別表1、及び、全国展開することとなった規制の特例措置が掲げられている別表2を改訂することにより対応することとし、これにより同基本方針の追加・充実を図っていく。
なお、構造改革特区制度については、地方公共団体や民間への十分なPRを行った上で、定期的な提案募集を行うとともに、提案募集とそれに基づく基本方針の改訂、法令等の改正といった一連の流れを通じた改革を加速していくため、地方公共団体や民間に対するコンサルティング機能や情報発信機能を強化していく。
さらに、特区において実施される規制の特例措置については、同基本方針に基づき、規制改革・民間開放推進会議とも密接な連携を取りつつ、一定期間後に的確に評価を行い、その評価結果を踏まえて、特区の成果を着実に全国に広げていく。
また、「地域再生推進プログラム」(平成16年2月27日地域再生本部決定)において、全国を対象とした支援措置が掲げられている別表2の中には規制改革事項が含まれているため、これまで総合規制改革会議で議論されてきた事項等、主な規制改革事項を本計画の「U
重点計画事項」の「別表8」として掲載し、規制改革・民間開放推進会議とも密接な連携を取りつつ、着実に推進していく。
6 計画の改定、フォローアップ等
(1)既定計画の着実な実施
「規制改革推進3か年計画(再改定)」(平成15年3月28日閣議決定)を始め、規制改革に関連する既定諸計画に定められている事項のうち、本計画に記載のない事項であって、平成15年度内に措置が完了していない事項(措置内容が検討にとどまっている事項を含む。)についてフォローアップを含めその着実な実施を図る。
(2)計画の改定
本計画は、規制改革・民間開放推進会議の審議結果等を踏まえ、毎年度改定する。
(3)計画のフォローアップ等
内閣府は、本計画に定められた措置を積極的に推進するとともに、その実施状況(「共通的事項」の実施状況を含む。)に関するフォローアップを行うこととし、その結果は、規制改革・民間開放推進会議に報告するとともに、公表する。
さらに、公共サービス分野における国の事務・事業について、民営化、民間への事業譲渡、民間委託を積極的に推進することが重要である。このため、各府省は、「行政改革大綱」(平成12年12月1日閣議決定)に基づいて、逐次、所管事務・事業の全般について計画的・積極的に民営化、民間への事業譲渡、民間委託を推進し、総務省は、民営化、民間への事業譲渡、民間委託の実施状況を毎年度の「行政改革大綱」の実施状況に関するフォローアップの中で明らかにする。
(4)審議会等の結論の早期化
本計画の個別措置事項のうち審議会等の結論を得る必要があるものについては、審議会等の結論を原則として平成16年9月末までに得ることとし、審議の早期化を図る。その時点で審議会等の結論が得られないものは、各府省が審議状況を取りまとめて公表するとともに、原則として平成17年2月末までに結論を得るものとする。
(5)市場開放問題苦情処理体制(OTO)の活用
市場アクセスの改善に資する規制改革を推進するため、市場開放問題苦情処理体制(OTO)の機能を積極的に活用する。
(6)諸外国の規制情報の収集・分析
我が国における規制改革の一層の進展に資するため、各府省においては、その所管する分野に係る行政が、世界各国でどのように行われているかを、インターネットなども活用し常時情報収集を行い、積極的に公開に努める。外務省は、在外公館における活動の一つとして、各国の規制についての幅広い情報収集や分析に努める。
7 「規制改革集中受付月間」の定着化
平成15年度において6月及び11月の各1か月間を「規制改革集中受付月間」とし、総合規制改革会議事務室と構造改革特区推進室とで共同して、民間、個人、地方公共団体を問わず広く一般から、全国規模での規制改革要望(特区における規制の特例事項の全国展開要望を含む)と構造改革特区提案を集中的に公募し、手続の公開の下、総合規制改革会議の機能を活用して、短期集中型の検討・協議を実施した。
国において、今後とも規制改革要望が各般の国民各層からより広く抽出され、一層実り多い成果を得ることができるよう、平成16年度以降も「規制改革集中受付月間」活動を継承し、定着化を図る。なお、検討の際には、構造改革特区制度における規制改革の検討と同様に、可能な限り「全国規模で実施するか」「特区で先行的に実施するか」の二者択一をするという考え方を基本とする。加えて、常に検証・評価(自己評価は勿論、外部評価も含む。)を行うことで、適宜、その運用・手法等のより一層の充実を図る。
8 事後チェック型行政への転換と消費者への情報提供の推進
行政の在り方が事前規制型から事後チェック型に転換していくことに伴い、許認可等の直接規制に係る体制のスリム化を進めるとともに、明確なルールづくりとそのルールが守られているか否かの監視を重視した体制に移行するものとする。
これら事後チェック型行政のためのルールのうち、情報公開関連項目及び第三者評価関連項目については基本的には個別分野にそれぞれ措置しているが、このほか、以下の措置を共通的に行う。(苦情・紛争処理関連項目については「V分野別措置事項
1法務関係」に掲載。)
(1)情報公開の推進
本計画において措置している情報公開関連項目については、事後チェック型行政を推進する観点から、逐次、期限の定められたものは前倒しに努め、逐次実施とされているものは年次別の具体的な達成目標を明示して、可能な限りその速やかな実施を図る。
なお、これ以外の分野においても、各府省は、逐次、それぞれの分野における消費者・利用者への提供情報の範囲、提供方法など情報公開の在り方につき、事業者・関係団体等とも連携を取りながら検討を進め、情報公開のルール形成を図る。
(2)第三者評価の推進
本計画において措置している第三者評価関連項目については、第三者評価の重要性にかんがみ、逐次、期限の定められたものは前倒しに努め、逐次実施とされているものは年次別の具体的な達成目標を明示して、可能な限りその速やかな実施を図る。また、各府省は、評価対象範囲・事項の一層の拡大を図るなど評価充実に向けた検討を進める。
なお、これ以外の分野においても第三者評価に馴染む分野は存在することから、各府省は、逐次、他分野の評価手法、実績等も参考としつつ、第三者評価の導入を図る。
9 民事・刑事の基本法制の整備等
(1)民事・刑事の基本法制の整備
社会経済構造の変革と事後監視型社会への転換に対応し、国民や企業の経済活動にかかわる民事・刑事の基本法について、抜本的に見直す。また、その用語・表記法においても、新たな時代にふさわしく、かつ国民に分かりやすいものとする。これらの法整備は平成17年度を目途に完了させる。
(2)司法制度改革の推進
事後チェック型行政への転換に伴い、司法の果たすべき役割がより重要となってくることから、司法制度改革推進計画(平成14年3月19日閣議決定)の実施等を通じ、真に実効ある司法制度改革を推進する。
10 規制に関する基本ルールの見直し等
(1)今後の規制改革推進の在り方
@ 規制改革推進及び関連する諸組織との連携の在り方
規制改革・民間開放推進会議の事務局機能を強化するとともに、規制改革の推進に当たり、今後とも民間の学識経験者や実業界等の知見を十分に活用できる体制とする。
さらに、一層の規制改革の実を上げるため、構造改革特別区域推進本部を始めとした関連する諸組織との連携を今後とも密にする。
具体的には、
ア 現在「特区」において規制改革の要望がある事項ができる限り実現されるよう、構造改革特別区域推進本部との連携を強化する。
イ
内閣府に寄せられる日本の市場アクセスに係る苦情や、総務省が全国に展開している行政相談窓口に寄せられる行政相談の中で、規制改革に関するものについては、規制改革・民間開放推進会議にも随時情報提供する。
ウ
総務省が行っている規制に関する政策の評価及び行政評価・監視に基づく関係府省に対する意見・勧告事項並びに公正取引委員会による競争政策の観点からの関係府省に対する要請事項についても、規制改革・民間開放推進会議へ情報提供する仕組みを作り、規制改革・民間開放推進会議も当該事項の扱いについてフォローする。
エ 既存規制のチェックの際活用すべきである「規制影響分析(RIA)」について、
その分析手法の開発・向上に向け、規制改革・民間開放推進会議と総務省及び各府省は連携する。
オ 規制改革と公正競争促進は一体であることから、規制改革・民間開放推進会議と公正取引委員会は、引き続き密接な協力体制を維持する。
A 規制改革手法の見直し
規制改革・民間開放推進会議の活動の中心は、今後とも既存規制の見直しとすべきであるが、その手法について、従来の手法に加え、以下の手法も取り入れることとする。
ア 規制影響分析(RIA: Regulatory Impact Analysis)の活用
規制影響分析(RIA)とは、規制の導入や修正に際し、実施に当たって想定されるコストや便益といった影響を客観的に分析し、公表することにより、規制制定過程における客観性と透明性の向上を目指す手法である。
基本的に、RIAの手法は、規制導入時における客観性や透明性を高めるものであるが、それに加え、規制の導入から一定期間が経過した後に、当該規制がその時点での社会経済情勢に照らしてなお最適であるか否かを判断する材料としても有効である。
したがって、後述((2)@)のとおり各府省が実施すべきRIAについて、規制改革・民間開放推進会議が既存規制をチェックする際にも活用できるような仕組みを作ることとする。
イ 「基準」による規制のチェック
規制の必要性・合理性等を迅速かつ客観的に議論・判断していくため、規制改革・民間開放推進会議は、規制の見直し基準を早急に策定し、これに基づいて既存規制の見直しを推進する。
その基準は、「中央省庁等改革基本法」(平成10年法律第103号)第44条第1項の規定及び「規制改革推進3か年計画(再改定)」において、規制の見直しの視点として掲げられている事項を参考にしつつ、参入・退出、業務内容、競争条件といった観点で設定し、個別分野ごとのものではなく横断的なものとする。
あわせて、その基準は、最低基準としてではなく、むしろ標準として、例えば、その基準を上回る規制については、その必要性・妥当性をより厳しく検証するという形で用いることとする。
ウ 規制の把握と公開
規制改革・民間開放推進会議が規制を効果的にチェックしていくためには、規制を的確に把握することも必要となる。
したがって、例えば、規制の新設・改廃時に、所管府省からその情報(RIA等、個々の規制に対する所管府省の考え方も含めた情報を含む。)が規制改革・民間開放推進会議に提供されるといった仕組みを作ることとする。
さらに、個々の規制の適正性を担保するためには、当該規制を規制改革・民間開放推進会議のみならず公衆の監視の下に置くことが重要であることから、規制改革・民間開放推進会議が把握している規制の情報については、インターネット等により広く公開する。その際は、分野横断的な比較が容易となるようできる限り一覧性を持たせるとともに、RIA等も含めた情報を公開するなど、規制改革を促すようなものにすることが重要である。
なお、情報提供された規制案の中に、上述の「基準」に照らして改革の方向性や理念に反すると認められるものがあった場合、規制改革・民間開放推進会議は、所管府省に対して必要に応じて意見を述べることとする。
その際、規制の新設審査(※)を行うこととされている各府省の大臣官房等、内閣法制局、総務省行政管理局、財務省主計局も引き続き厳格に審査を行うとともに、規制改革・民間開放推進会議の求めに応じ、情報提供など必要な協力を行うこととする。
※ 規制の新設審査
規制の新設に当たっては、原則として当該規制を一定期間経過後に廃止を含め見直すこととする。法律により新たな制度を創設して規制の新設を行うものについては、各府省は、その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除き、当該法律に一定期間経過後当該規制の見直しを行う旨の条項(以下「見直し条項」という。)を盛り込むものとする。なお、この見直しの結果、その制度・運用を維持することとするものについては、その必要性、根拠等を明確にする。各府省は、規制の新設について、これを必要最小限にするとの基本的な方針の下に、大臣官房等総合調整機能を有する部局において審査を行うこととする。
このため、RIAの試行的実施が行われるまでの間、各府省は、規制の新設に当たり、規制の必要性、期待される効果、予想される国民の負担等のコスト等について検討し、その検討結果を、見直し条項を付した法律及び見直し条項に基づく見直しの結果とともに、毎通常国会終了後速やかに国民に分かりやすく公表する。
また、内閣法制局、総務省行政管理局及び財務省主計局は、規制の新設についてそれぞれの所掌事務に基づき厳格な審査を行う。
なお、総務省行政管理局及び財務省主計局は、規制の新設抑制等の観点から、各府省が行う規制の設定又は改廃に係る意見提出手続に際し、必要に応じ意見を述べるものとする。
エ 規制改革・規制制度の評価等及び国民への情報提供等
(ア)規制制度に関する基礎的な調査研究の充実
総務省は、規制改革の推進に資するため、各府省の協力を得て、規制制度に関する基礎的な調査研究の充実を図り、その成果を国民に分かりやすい形で公表する。
(イ)規制改革の数量的効果分析の実施・公表
内閣府は、規制改革に関する国民の関心と理解を深めるため、政府における規制改革の推進に関し、規制改革による需要拡大効果、生産性向上効果、雇用創出効果、物価引下げ効果等の経済効果につき数量的な分析を積極的に行い、その成果を国民に分かりやすい形で毎年度公表する。
(ウ)規制コスト及び効果の分析
各府省は、所管する行政分野における国民の負担等の規制のコスト及び効果の分析・把握を行い、現行規制制度の見直しに資する。
(エ)政策評価等の実施等
規制制度等の評価に当たっては、各府省における政策評価の積極的な実施を図るとともに、総務省の政策評価機能及び行政評価・監視機能を積極的に活用する。
(オ)規制改革に関する広報の充実
内閣府は、上記(ア)、(イ)、(ウ)を含め、公的規制の現状、規制改革の実施状況、規制改革の経済効果等を国民に分かりやすい形で取りまとめ公表する。
その他、規制改革に関する国民の理解を促進するための施策を実施し、広報の充実を図る。
(2)規制に係る手続の見直し
@ RIA導入の推進【平成16年度以降逐次実施】
RIAは、1980年代以降、米国、英国等において導入が進んでいる。我が国では、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(平成13年法律第86号)に基づく「政策評価に関する基本方針」(平成13年12月28日閣議決定)において、規制に係る政策評価の実施に向け積極的に取り組むこととされており、その取組を着実に推進する必要があるものの、義務付けには至っていない。
しかしながら、RIAの手法は、規制導入時における客観性や透明性を高めるだけでなく、先述のとおり既存規制をチェックするツールとしても有効であることから、すべての規制の新設・改正時に用いられるべきであり、以下のようにその導入を推進する。
ア
RIAについては、各府省において平成16年度から試行的に実施することとし、評価手法の開発された時点において、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」の枠組みの下で義務付けを図るものとする。
このため、毎年度、総務省は、規制改革・民間開放推進会議と連携しつつ試行的なRIAの実施状況を把握・分析するとともに、その結果得られたこれらの取組の推進に資するような知見・情報等を各府省に対して提供することや調査研究等を通じて、政策評価の観点から早急にその評価手法の開発の推進に努めることとする。
また、各府省においても、規制改革・民間開放推進会議及び総務省と連携しつつ評価手法の開発の推進に努めることとする。
イ
RIAが客観性を持ち得るためには、可能な限り定量的かつ詳細な分析が必要であるが、その分析手法が確立していない現時点においては、一律に定量かつ詳細な分析を義務付けることは行政コストを増大させるのみで実益に乏しい。
したがって、当面、RIAについては、諸外国の例を参考にしつつ分析項目のみ提示し、内容面については徐々に充実させていくことが適当である。また、定期的なレビューの実施に資するため、レビューの時期や規制を見直す条件等を盛り込むことが適当である。
項目例としては、以下の項目が考えられる。
(ア)規制の内容(規制の目的・必要性等を含む。)
(イ)規制の費用分析(規制実施による行政コスト、遵守コスト、社会コストの推計)
(ウ)規制の便益分析(規制実施による産業界や国民への便益、社会的便益の推計)
(エ)想定できる代替手段との比較考量
(オ)規制を見直す条件
(カ)レビューを行う時期
A パブリック・コメント手続の見直し
規制の設定又は改廃に係る意思決定過程の透明性の向上と公正の確保等を図る観点から、「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続」(平成11年3月23日閣議決定)に基づき、引き続き、規制の設定又は改廃に係る政省令等の策定過程において、広く国民・事業者に案等を公表し、それに対して提出された意見・情報を考慮して意思決定を行うこととする。
また、同手続に従い適切に規制の設定又は改廃が行われるよう、総務省は、その実施状況をフォローアップし、公表する。
なお、今後とも国民・事業者に同手続の周知を図り、その活用を促す。
さらに、規制改革の一層の推進という観点から、以下のように見直しを図る。
ア
現在、「1か月程度を一つの目安」として、各案件については各府省の裁量にゆだねている意見・情報の募集期間について、原則30日間を確保することとし、例外的にそれを下回る期間を設定する場合においては、その理由を募集の周知と同時に公表する。【平成16年度中に措置】
イ
現在、各行政機関は、提出された意見・情報について考慮したことを明らかにするために、当該行政機関の考え方を取りまとめ、公表しているが、この仕組みが本制度全体において極めて重要な役割を担っていることにかんがみ、特に意見を採用しない場合において、行政機関の考え方を分かりやすく詳細に公表する。【平成16年度中に措置】
ウ
質の高い規制の制定はもとより、有効な代替案を見出す可能性を高める等の観点から、パブリック・コメント手続に際しては、その対象となる規制原案に、可能な限り当該原案に係るRIAを付して、意見・情報の募集の対象とする。【平成16年度中に措置】
エ 後述する行政手続法の見直し作業において、パブリック・コメント手続の法制化についても検討を行う。【平成16年度中に措置】
オ
上記の見直しを行うほか、現在、文書閲覧窓口等の方法により一定期間公にしておくとしている国民等からの提出意見・情報について、可能な限り、各府省のホームページ上でその全文を公表することとする。【平成16年度中に措置(以降毎年度)】
カ
総務省は、例えば「意見・情報の処理方法に不備があるものが無いか否か」、「公表時期に不備があるものが無いか否か」といった観点から、本制度の実施状況に係る調査項目の充実を図るとともに、所管事項に係る苦情処理・相談を行い、パブリック・コメント手続の適正な運用を図る。【平成16年度中に措置】
B 日本版ノーアクションレター制度の見直し【平成16年度中に措置】
民間企業等がある行為を行うに際し、法令に抵触するかどうかの予見可能性を高めるとともに、行政の公正性を確保し、透明性の向上を図るため、「行政機関による法令適用事前確認手続の導入について」(平成13年3月27日閣議決定)に基づき、同手続の円滑な実施を図る。
また、同手続が適切に実施されるよう、総務省は、その実施状況をフォローアップし、公表する。
なお、今後とも国民・事業者に同手続の周知を図り、その活用を促す。
さらに、規制改革の一層の推進という観点から、以下のように見直しを図る。
ア
現在、本制度の対象は「IT・金融等新規産業や新商品・サービスの創出が活発に行われる分野」とされているが、本来、本制度をこのような一定の分野に限って導入する必然性は無く、現に、ほとんどの省庁においては、既に上記分野に限定せず広く照会対象とする考えを示している。
したがって、少なくとも事業活動を規制する法令については、本手続の対象とするよう対象範囲を見直す。
イ
本制度については、例えば「自己の事業活動に係る具体的行為が特定の法令等に規定される定義や範囲に該当するか否か」等を照会したいとの要望が強く存在することから、現行制度の趣旨を一層徹底するため、特定の規定に違反する行為が罰則の対象となる場合であっても、当該条項を根拠とする処分があれば本制度の対象となっていることについて周知を図る。
ウ
本手続に基づいて照会を行うことができる者は、「将来自らが行おうとする行為に係る個別具体的な事実」を有する民間企業等又はその代理人とされているが、照会主体の範囲の拡大を求める声が強いこと、照会主体の限定が本制度活用の制約要因となっていることにかんがみ、本制度を補完するものとして、例えば民間における団体が会員たる個別企業を代表して照会を行う場合においても、行政機関ができる限り具体的に回答することとする。
エ
閣議決定による指針の下で、本制度の具体的実施方法等については、各府省の判断の下での細則にゆだねられているために、各細則間に内容の強弱あるいは規定の有無といった差異が見られるが、その中には、以下のように合理的な理由に欠く事項もあり、早急な見直しを図る。
(ア)当該回答に至った見解や根拠を回答に盛り込むか否かについて、(a)必ず明記しなければならないと義務付けている府省、(b)付すことができると規定するにとどまっている府省、(c)全く定めの無い府省、との別が見られるが、本制度の趣旨をいかすために、すべての細則において、回答には具体的な見解や根拠等を必ず盛り込むこととする規定を置く。
(イ)照会者又はその代理人からの照会の取下げの申出に対する回答の不実施について、(a)規定を設けている府省、(b)規定を設けていない府省、との別が見られるが、すべての細則において、照会者又はその代理人から照会の取下げの申出があった場合は、当該申出に係る照会に対する回答を行わないこととする規定を置く。
C 行政手続法の見直し
行政手続法(平成5年法律第88号)を遵守し、許認可等の行政処分及び行政指導の透明性・明確性を確保する。また、引き続き国民・事業者に行政手続法の周知を図り、その活用を促す。
あわせて、規制プロセスの予測可能性及び透明性の向上に資する観点から、許認可等のうち、いまだ標準処理期間の定めのないものについてその設定に努めるとともに、いまだ審査基準のないものについては早急に設定することとする。
さらに、規制改革の一層の推進という観点から、以下のように見直しを図るとともに、その運用について改善を行う。
ア
総務省は、行政手続法施行後10年間の運用状況を踏まえ、速やかに行政立法手続等を含めた行政手続法の見直しを行う。なお、その際、規制の設定又は改廃に係るパブリック・コメント手続の法制化についても検討を行う。【平成16年度中に
検討開始】
イ
上記の行政手続法の見直しにおいて、行政処分や行政指導における書面交付制度の在り方について、改めて実態調査を行った上で改善すべき点が無いか、検討を行う。【平成16年度中に検討開始】
ウ
申請に対する審査基準や処分の基準について「できる限り具体的なものとしなければならない」、「(適当な方法により)公にしておかなければならない」と定める行政手続法の趣旨を踏まえ、申請者たる事業者等から「審査基準の内容について不十分」との指摘や「審査基準の一層の具体化を求める」との要望があるものについては、各所管府省においてパブリック・コメント手続等を行った上で、早急に具体化するとともに、「審査基準の公表がなされていない」との指摘があるものについては、原則公表する。【平成16年度中に措置】
エ
総務省は、現在実施している「行政手続法の施行状況に関する調査」の調査項目について、例えば審査基準設定の有無のみならず公表の有無を加える等、その拡充を図る。【平成16年度中に措置】
D 行政機関情報公開法等の円滑な施行
規制に係る行政情報の公開を図り、規制の効果と負担について透明性を確保し、国民への説明責任を果たすため、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)及び独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)の円滑な施行に引き続き努める。
E 行政指導及び民民規制への取組
規制改革後において、規制に代わって競争制限的な行政指導が行われることのないよう、「行政指導に関する独占禁止法上の考え方」の趣旨を踏まえ、関係省庁は公正取引委員会と事前に所要の調整を図る。いわゆる民民規制の問題については、公正取引委員会は、独占禁止法違反行為に対し同法に基づき厳正に対処するほか、その実態を調査し、競争制限的な民間慣行についてその是正を図るとともに、その背後に競争制限的な行政指導が存在する場合には、公正取引委員会及び関係府省がその早急な見直しに取り組む。行政が何ら関与していない場合には、関係省庁は、関与していない旨を改めて周知するなど、責任の所在の明確化に努める。
(3)地方公共団体における規制改革の促進に向けた方策【平成16年度以降逐次実施】
国においては地方分権の精神を十分尊重しつつ、国・地方を通ずる規制改革推進の観点から、地方公共団体に対し、積極的に規制改革に取り組むよう要請するとともに、国においても、地方公共団体における国の法令等に基づく規制について、必要に応じ検討・見直しを行うほか、以下に掲げる点について取り組む。
なお、公共サービス分野における地方公共団体の行う事務・事業について、地方自治の観点を尊重しつつ、逐次、これに関する民間の参入に向け取り組むよう、各府省は地方公共団体に要請し、総務省は、優良事例を地方公共団体に周知するとともに、地方公共団体の取組状況を適切に把握し、公表する。
@ 現在、構造改革特区制度の仕組みにより、従前に比べ地域住民・事業者の要望が明らかになりつつある。
したがって、規制改革・民間開放推進会議においても、今後とも構造改革特別区域推進本部との一層の連携を図りながら地方における実態の把握を行った上で、問題点や課題を明らかにしていく。
A
規制改革・民間開放推進会議は、全国的な規制改革を一層推進するという観点から必要と考えられる場合には、関係府省に対し、地方における規制改革を支援するような形での技術的助言等を、地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しつつ行うよう求める。
B 全国展開を図る事業者にとって、各種申請書類等の様式や仕様等が各地方公共団体において異なることは重い負担となる場合があるため、その統一化を望む声も多い。
したがって、上記のような要望が「規制改革集中受付月間」等を通じて寄せられ、かつ、それに国として対応することが地方分権推進の趣旨に反しない場合には、規制改革・民間開放推進会議は、関係府省に対し、地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しつつ、当該申請書類等の標準様式・仕様を作成し、地方公共団体へ提示を行うことを求める。
C
公正取引委員会により「競争政策の観点からみた地方公共団体による規制・入札等について」(平成11年6月)、「公共調達における競争性の徹底を目指して(公共調達と競争政策に関する研究会報告書)」(平成15年11月)が取りまとめられており、実態把握等に有益なものとなっているが、引き続き公正取引委員会は、地方公共団体における規制改革の推進に資する調査・提言を行う。
U 重点計画事項 <略>
<出所−首相官邸HP>
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