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公益法人の設立許可及び指導監督基準
平成 8年 9月20日 閣議決定
一部改正 平成 9年12月16日
1. 目的
公益法人は、積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とするものでなければならず、次のようなものは、公益法人として適当でない。
(1) 同窓会、同好会等構成員相互の親睦、連絡、意見交換等を主たる目的とするもの
(2) 特定団体の構成員又は特定職域の者のみを対象とする福利厚生、相互救済等を主たる目的とするもの
(3) 後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの
2. 事業
(1) 公益法人の事業(付随的に行う収益を目的とする事業を除く。)は、次の事項のすべてに適合していなければならない。また、これらの事項に適合する事業の規模は、可能な限り総支出額の2分の1以上であるようにする。
@ 当該法人の目的に照らし、適切な内容の事業であること。
A 事業内容が、定款又は寄附行為上具体的に明確にされていること。
B 営利企業として行うことが適当と認められる性格、内容の事業を主とするものでないこと。
(2) 事業内容が、社会経済情勢の変化により、営利企業の事業と競合し、又は競合しうる状況となっている場合には、公益法人としてふさわしいと認められる事業内容への改善等に向けて次の措置を講ずる。
@ 事業の運営等について、対価を引き下げる、不特定多数の者を対象とする等により公益性を高めること。
A 新たに公益性の高い事業を付加すること。
(3) 上記(2)の措置が講じられない場合においては、営利法人等への転換を行うこと。
(4) 「営利法人等への転換」に係る必要な制度が整った後、所管官庁が上記(3)について監督上の措置を行い、その後3年以内に必要な措置がとられない場合は、設立許可の取消を含め対処する。
(5) 対価を伴う公益事業については、対価の引下げ、対象の拡大等により収入、支出の均衡を図り、当該法人の健全な運営に必要な額以上の利益を生じないようにすること。
(6) 公益法人が収益事業(付随的に収益を目的として行う事業をいう。以下同じ。)を行う場合にあっては、当該事業は次の事項のすべてに適合していなければならない。また、公益事業の推進に資するものでなくてはならない。
@ 規模 収益事業の支出規模は、公益事業の適正な発展のため、主として公益事業費を賄うのに必要な程度でかつ当該公益法人の実態から見て適正なものとし、可能な限り総支出額の2分の1以下にとどめること。
A 業種 収益事業の業種としては、公益法人としての社会的信用を傷つけるものではないこと。
B 利益の使用 収益事業の利益は、当該法人の健全な運営のための資金等に必要な額を除き公益事業のために使用することとし、公益事業のために使用する額は可能な限り利益の2分の1以上とすること。
3. 名称
公益法人の名称は、法人の目的及び実態を適切に表現した社会通念上妥当なものでなければならず、次のような名称は適当でない。
(1) 国又は地方公共団体の機関等と誤認させるおそれのある名称
(2) 既存の法人又はその付属機関と誤認させるおそれのある名称
(3) 当該法人の活動範囲とかけはなれた名称
4. 機関
公益法人の機関は、当該法人の健全かつ継続的な管理運営を可能とするとの観点から、少なくとも次の事項に適合していなければならない。
(1) 理事及び理事会
@ 理事の定数は、法人の事業規模、事業内容等法人の実態からみて適正な数とし、上限と下限の幅が大きすぎないこと。
A 社団法人の理事は、総会で選任すること。
財団法人の理事は、原則として評議員会で選任すること。
B 理事の任期は、原則として2年を基準とすること。
C 理事の任期の満了又は辞任に伴う後任理事の選任については、速やかに行うものとし、後任の理事が選任されるまでの間、なお職務を行う義務があることを定めること。
D 理事のうち、同一の親族(3親等以内の親族及びこの者と特別の関係にある者)、特定の企業の関係者(役員、使用人、大株主等)、所管する官庁の出身者が占める割合は、それぞれ理事現在数の3分の1以下とすること。
また、同一の業界の関係者が占める割合は、理事現在数の2分の1以下とすること。
E 常勤の理事の報酬及び退職金等は、当該法人の資産及び収支の状況並びに民間の給与水準と比べて不当に高額に過ぎないものとすること。
F 理事会については、理事の多数の意思が適正に反映されるように、その成立要件及び議決要件等を定めること。
(2) 監事
@ 監事は、法人の会計、財産、理事の業務執行等の状況を監査するために重要な機関であることから、必ず1名以上置くこと。
A 監事は理事を兼ねないこと。
B 監事に関し、前記(1)−A〜C、Eを準用すること。
(3) 社団法人の総会
@ 社団法人の総会については、社員の多数の意思が適正に反映されるように、その成立要件及び議決要件等を定めること。
A 社員が多数又は全国に散在する等の場合であっても、社員の意思が正当に反映されるような措置をとること。
(4) 評議員及び評議員会
@ 財団法人には、原則として、評議員を置き、また、理事及び監事の選任機関並びに当該法人の重要事項の諮問機関として評議員会を置くこと。
A 評議員は、理事会で選任すること。
B 評議員は、原則として理事又は監事を兼ねないこと。やむを得ず評議員が理事を兼ねる場合においても、その割合は、評議員会を実質的に支配するに至らない程度にとどめること。
C 評議員及び評議員会に関し、前記(1)−@、B、C、Fを準用するとともに、同一の親族、特定の企業、所管する官庁の出身者及び同一の業界関係者が占める割合は、評議員会を実質的に支配するに至らない程度にとどめること。
(5) 事務局及び職員
当該法人の事務を処理するため、事業の規模、内容等を考慮して事務局を設置し、所要の職員(可能な限り常勤職員)を置くこと。
5. 財務及び会計
公益法人は、設立目的の達成等のため、健全な事業活動を継続するに必要な確固とした財政的基礎を有するとともに、適切な会計処理がなされなければならない。したがって、その財務及び会計については、以下の事項に適合させるよう適切に処理しなければならない。
(1) 原則として公益法人会計基準に従い、適切な会計処理を行うこと。
(2) 社団法人にあっては、設立目的の達成に必要な事業活動を遂行するための会費収入及び財産の運用収入等があること。
(3) 財団法人にあっては、設立目的の達成に必要な事業活動を遂行するための設立当初の寄附財産の運用収入及び恒常的な賛助金収入等があること。
(4) 基本財産の管理運用は、寄附者が寄附する際にその管理運用方法を指定した場合を除き、固定資産としての常識的な運用益が得られ、又は利用価値が生ずる方法で行うこと。
(5) 運用財産の管理運用は、当該法人の健全な運営に必要な資産(現金、建物等)を除き、元本が回収できる可能性が高くかつなるべく高い運用益が得られる方法で行うこと。
(6) 公益法人が長期借入(返済期限が1年以上の借入をいう。)を行う場合にあっては、確実な返済計画を策定する等公益活動に支障をもたらすことのないよう十分留意するとともに、収支予算書に明記し、理事会及び総会の承認を得る等の措置をとるとともに、所管官庁への届出等を行うこと。
(7) いわゆる「内部留保」については、公益事業の適切かつ継続的な実施に必要な程度とすること。
なお、ここでいう「内部留保」とは、総資産額から、次の項目等を除したものとする。
@ 財団法人における基本財産
A 公益事業を実施するために有している基金
B 法人の運営に不可欠な固定資産
C 将来の特定の支払いに充てる引当資産等
D 負債相当額
(8) 管理費の総支出額に占める割合は過大なものとならないようにし、可能な限り2分の1以下とすること。また、人件費の管理費に占める割合についても、過大なものとならないようにすること。
6. 株式の保有等
(1) 公益法人は、原則として、以下の場合を除き、営利企業の株式保有等を行ってはならない。
@ 上記5−(5)における財産の管理運用である場合。ただし、公開市場を通じる等ポートフォリオ運用であることが明らかな場合に限る。
A 財団法人において、基本財産として寄附された場合
(2) 上記(1)により株式を保有する場合であっても、当該営利企業の全株式の2分の1を超える株式の保有を行ってはならない。
(3) 上記(1)の理由により株式保有等を行っている場合(全株式の20%以上を保有している場合に限る。)については、毎事業年度の事業報告書に当該営利企業の概要を記載すること。
7. 情報公開
(1) 公益法人は、次の業務及び財務等に関する資料を主たる事務所に備えて置き、原則として、一般の閲覧に供すること。
@ 定款又は寄附行為
A 役員名簿
B (社団法人の場合)社員名簿
C 事業報告書
D 収支計算書
E 正味財産増減計算書
F 貸借対照表
G 財産目録
H 事業計画書
I 収支予算書
(2) 所管官庁においては、(1)に規定する資料を備えて置き、これらについて閲覧の請求があった場合には、原則として、これを閲覧させるものとする。
8. 経過措置等
(1) 所管官庁は、本基準に適合しない公益法人に対しては、原則として3年以内に本基準に適合するように指導する。
ただし、既に設立されている法人で、法人格を取得する手段が民法第34条によることに限られたため、公益法人となっている業界団体等に関しては、真にやむを得ない事項については、法人に関する抜本的法改革を待って対応することとする。それまでの間は、所管官庁においては、当該業界関係者又は所管する官庁の出身者以外の者を、可及的速やかに監事とすることにより、公正さを担保するとともに、それぞれの定款等により定められた業務を適切に行うよう強力に指導するものとする。
(2) 本基準6の株式の保有等において認められている理由以外の理由により、現在株式の保有等を行っている公益法人は、原則として、平成11年9月末までにこれを処分すること。
(3) 仮に、上記(2)で定められた期限までに処分ができない場合であっても、その後も処分するための努力を続けること。
(4) 現に株式保有等を行っている公益法人で、必要な努力を行ったにもかかわらず処分が困難な株式等を保有しているものの取扱については、原則禁止のもと、更に検討する。
その際、処分が困難な株式等を保有しているものについては、当該公益法人の名称、保有している株式等、保有している理由等を、毎年度「公益法人に関する年次報告」に記載することにより、その実態を明らかにする。
また、各公益法人においても、その毎事業年度の事業報告書に当該営利企業の概要を記載すること。
(5) 本基準7の情報公開については、平成10年1月以降に始まる新事業年度から本基準に適合した形で情報公開を行うこと。
(6) 2−(3)のうち「営利法人等への転換」については、関係省庁において検討がなされ、必要な制度が整った後に実施されるものとする。