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最高裁(第二小法廷)平成13年06月14日決定
〔執行停止・要件−アレフ信者住民票消除事件/東京都世田谷区〕
平成13年(行ト)第26号・執行停止決定を取り消した抗告審の決定に対する特別抗告事件
原決定破棄、抗告棄却
第一審・東京地方裁判所平成13年02月16日決定(平成12年(行ク)第111号)
控訴審・東京高等裁判所平成13年04月20日決定(平成13年(行ス)第12号)
抗告人 X 同代理人弁護士 荒木昭彦 和久田修
相手方 世田谷区長 同指定代理人 河野通孝 原田憲治 土肥直人 小川正明 菅原文男 根津典史
判例地方自治217号20頁
東京高等裁判所平成13年(行ス)第12号執行停止決定に対する抗告について,同裁判所が平成13年4月20日にした決定に対し,抗告人から特別抗告があった。よって,当裁判所は,次のとおり決定する。
主 文
原決定を破棄し,原々決定に対する抗告を棄却する。
手続の総費用は相手方の負担とする。
理 由
抗告代理人荒木昭彦,同和久田修の抗告理由について
論旨は,要するに,原決定は,市区町村長が住民基本台帳法に基づき住民票を調製するに際し,地域の秩序が破壊され住民の生命や身体の安全が害される危険性が高度に認められるような特別の事情の存否について審査することができることを前提として,本件消除処分により憲法22条,15条等に基づく権利を侵害されているとの抗告人の主張を排斥したが,この判断はこれらの憲法の規定に違反するというのである。
職権をもって検討するに,原審は,相手方が上記のような審査権限を有しているとの法解釈に基づいて抗告人に係る住民票の記載は消除されるべきものであるとして,本件消除処分により抗告人に回復の困難な損害を生ずると認めることはできず,また,本案について理由がないとみえるときに該当するとしている。しかし,市区町村長が上記のような審査権限を有するとは必ずしも即断し難い。したがって,本件は本案について理由がないとみえるときに当たるということはできない。そして,原審の適法に確定した事実関係によれば,本件消除処分により抗告人に回復の困難な損害が生ずるおそれがあり,これを避けるため緊急の必要があると認められる。したがって,本件執行停止の申立ては,理由があるというべきである。
そうすると,所論の憲法違反があるかどうかについて判断するまでもなく,原決定は裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるものとして破棄を免れず,本件消除処分の効力を停止する旨の原々決定は正当であるから,これに対する相手方の抗告は棄却すべきものである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 北川弘治 裁判官 河合伸一 裁判官 福田博 裁判官 亀山継夫 裁判官 梶谷玄)
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