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 最高裁(第一小法廷)昭和53年03月30日判決

 =行政百選U[第5版]bQ54〔損失補償と社会保障−原爆医療法の性格・不法入国者への被爆者健康手帳交付〕


 昭和50年(行ツ)第98号・被爆者健康手帳交付申請却下処分取消請求上告事件
 棄却

   第一審・福岡地方裁判所昭和49年03月30日判決(昭和47年(行ウ)第33号)
   控訴審・福岡高等裁判所昭和50年07月17日判決(昭和49年(行コ)第3号)

  上告人(控訴人・被告) 福岡県知事 代理人 蓑田速夫 外一〇名
  被上告人(被控訴人・原告) 孫振斗 代理人 山下勝彦 外二名

 最高裁判所民事判例集32巻02号0435頁、訟務月報24巻3号665頁、判例タイムズ362号196頁


 主 文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。


 理 由
 上告代理人貞家克己、同伴喬之輔、同矢崎秀一、同桑畑稔、同小沢義彦、同西幸夫、同黒川弘、同鏑木伸一、同船橋光俊、同元村昭典、同近藤栄次郎の上告理由について
 論旨は、要するに、原審が、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(昭和三二年法律第四一号。以下「原爆医療法」という。)はわが国に不法に入国した外国人被爆者にも適用されるものであるとの見解のもとに、不法入国者である被上告人の被爆者健康手帳交付申請を却下した本件処分を違法としたのは、同法三条の解釈適用を誤つたものである、というにある。
 そこで検討するのに、原爆医療法は、「広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者が今なお置かれている健康上の特別の状態にかんがみ、国が被爆者に対し健康診断及び医療を行うことにより、その健康の保持及び向上をはかることを目的とする。」(同法一条)ものであり、被爆者が同法三条に基づきその居住地(居住地を有しないときはその現在地)の都道府県知事(その居住地が広島市又は長崎市であるときは当該市の長。以下同じ。)に申請して被爆者健康手帳の交付を受けたときは、都道府県知事において、右被爆者に対し毎年一般検査及び精密検査による健康診断とそれに基づく必要な指導を行う(同法四条ないし六条、同法施行規則六条)ほか、厚生大臣において、原子爆弾の傷害作用に起因して負傷し又は疾病にかかり現に医療を要する状態にある被爆者に対し、当該負傷又は疾病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の認定をしたうえで、指定医療機関による必要な医療の給付又はこれに代わる医療費の支給をし(同法七条ないし一四条)、更に、一般の負傷又は疾病によつて医療を受けた被爆者に対しては、一定条件のもとに一般疾病医療費を支給する(同法一四条の二ないし一四条の七)ことなどを定め、これらに要する費用は全額国が負担するものとしている(同法二〇条)。被爆者は、従前から、被爆による健康上の障害につき、一般傷病者と同様の立場において健康保険法等の各種医療保険法あるいは生活保護法等による医療給付を受けることができたのであるが、被爆者の特別の健康状態にかんがみるとなお十分ではないので、更に救済を強化するために原爆医療法が制定されるに至つたものである。
 右のように、原爆医療法は、被爆者の健康面に着目して公費により必要な医療の給付をすることを中心とするものであつて、その点からみると、いわゆる社会保障法としての他の公的医療給付立法と同様の性格をもつものであるということができる。しかしながら、被爆者のみを対象として特に右立法がされた所以を理解するについては、原子爆弾の被爆による健康上の障害がかつて例をみない特異かつ深刻なものであることと並んで、かかる障害が遡れば戦争という国の行為によつてもたらされたものであり、しかも、被爆者の多くが今なお生活上一般の戦争被害者よりも不安定な状態に置かれているという事実を見逃すことはできない。原爆医療法は、このような特殊の戦争被害について戦争遂行主体であつた国が自らの責任によりその救済をはかるという一面をも有するものであり、その点では実質的に国家補償的配慮が制度の根底にあることは、これを否定することができないのである。例えば、同法が被爆者の収入ないし資産状態のいかんを問わず常に全額公費負担と定めていることなどは、単なる社会保障としては合理的に説明しがたいところであり、右の国家補償的配慮の一端を示すものであると認められる。また、わが国の戦争被害に関する他の補償立法は、補償対象者を日本国籍を有する者に限定し、日本国籍の喪失をもつて権利消滅事由と定めているのが通例であるが(戦傷病者戦没者遺族等援護法一一条二号及び三号、一四条一項二号、二四条、三一条一項二号、戦傷病者特別援護法四条三項、六条一項等)、原爆医療法があえてこの種の規定を設けず、外国人に対しても同法を適用することとしているのは、被爆による健康上の障害の特異性と重大性のゆえに、その救済について内外人を区別すべきではないとしたものにほかならず、同法が国家補償の趣旨を併せもつものと解することと矛盾するのではない。
 このような原爆医療法の複合的性格からすれば、一般の社会保障法についてこれを外国人に適用する場合には、そのよつて立つ社会連帯と相互扶助の理念から、わが国内に適法な居住関係を有する外国人のみを対象者とすることが一応の原則であるとしても、原爆医療法について当然に同様の原則が前提とされているものと解すべき根拠はない。かえつて、同法が被爆者の置かれている特別の健康状態に着目してこれを救済するという人道的目的の立法であり、その三条一項にはわが国に居住地を有しない被爆者をも適用対象者として予定した規定があることなどから考えると、被爆者であつてわが国内に現在する者である限りは、その現在する理由等のいかんを問うことなく、広く同法の適用を認めて救済をはかることが、同法のもつ国家補償の趣旨にも適合するものというべきである。
 これをわが国に不法入国した外国人被爆者の場合について更にふえんすれば、右の者がわが国の入国管理法令上国内に留まることを許されず、すみやかに退去強制の措置を受けるべきものであることは、いうまでもない。しかしながら、前述のような被爆者の救済という観点を重視するならば、不法入国した被爆者も現に救済を必要とする特別の健康状態に置かれている点では他の一般被爆者と変わるところがないのであつて、不法入国者であるがゆえにこれをかえりみないことは、原爆医療法の人道的目的を没却するものといわなければならない。もつとも、不法入国した被爆者が同法の適用を受けることができないとしても、わが国において自費により必要な診察や治療を受けることまでができないわけではないが、その資力のない者にとつては、同法の適用を拒否されることが医療の機会そのものを失うことにつながりかねないのである。他方、不法入国した被爆者に同法の適用を認めた場合でも、その者に対し入国管理法令に基づく退去強制手続をとることはなんら妨げられるものではないから、右の適用を認めることが、外国人被爆者の不法入国を助長することになるとか、入国管理制度の適正な執行を阻害することになるとかを危惧することは、当たらないというべきであるし、また、右退去強制により、不法入国した被爆者が短期間しか同法の給付を受けられない場合がありうるとしても、そのことだけで、その間の給付が全く無益又は無意味であつたことに帰するものではない。更に、一般的には、わが国に不法入国した外国人が国民の税負担に依存する国の給付を権利として請求しうるとすることは、極めて異例であるというべきであるが、原爆医療法は、被爆者という限られた範囲の者のみを対象とした特別の立法であり、厳正な入国管理のもとでは少数である不法入国者を対象者に含ませたからといつて、そのことによる国の財政上の負担はやむをえないとしなければならない。
 このようにみてくると、不法入国者の取締りとその者に対する原爆医療法の適用の有無とは別個の問題として考えるべきものであつて、同法を外国人被爆者に適用するにあたり、不法入国者を特に除外しなければならないとする特段の実質的・合理的理由はなく、その適用を認めることがよりよく同法の趣旨・目的にそうものであることは前述のとおりであるから、同法は不法入国した被爆者についても適用されるものであると解するのが相当である。
 本件において原審の認定するところによれば、被上告人は、大韓民国国籍を有する被爆者であり、昭和四五年一二月三日同国から佐賀県東松浦郡鎮西町名護屋串浦港に不法入国した直後出入国管理令違反の現行犯として逮捕され、身柄拘束のまま有罪の実刑判決を受けて服役し、その間に退去強制令書も発付されている者であるが、昭和四六年一〇月五日上告人知事に対し、原爆医療法三条に基づき被爆者健康手帳の交付を申請したところ、わが国に正規の居住関係を有しないとの理由でこれを却下された、というのである。してみると、被上告人は、不法入国による刑の執行と退去強制手続のためにのみわが国に現在しているにすぎない者であるが、既に述べたところにより、右のような立場にある不法入国者であつても、被爆者である以上は、原爆医療法の適用外とすべきではない。このことは、被上告人が被爆当時は日本国籍を有し、戦後平和条約の発効によつて自己の意思にかかわりなく日本国籍を喪失したものであるという事情をも勘案すれば、国家的道義のうえからも首肯されるところである。
 以上のとおりであるから、上告人知事の右却下処分を違法であるとした原審の判断は、その傍論部分の当否についてふれるまでもなく正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。それゆえ、論旨は採用することができない。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官岸盛一の意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

 裁判官岸盛一の意見は、次のとおりである。
 わたくしは、多数意見に賛成するものであるが、なお、次のことを付加しておきたい。
 原審の認定によれば、被上告人は、昭和一八年ごろから同二〇年九月ごろまで広島市南観音町一丁目に両親及び妹と共に居住し、その間被爆した者であるというのであり、その証拠として、甲第二、三号証(広島市において被上告人方の近隣に居住していた藤井平作及び松浦スミ子の作成名義の被爆状況証明書)、甲第一一号証の一、二(被上告人の妹孫貴達の学籍に関する照会及びその回答)、証人藤井幸雄の証言及び被上告人本人の供述が挙示されている。
 しかしながら、右甲第二、三号証は、昭和四六年九月ごろ被上告人側からの求めによつて作成されたものであり、それには藤井平作及び松浦スミ子が被爆直後に被上告人を自宅付近で見かけたことなどが記載されているが、証人藤井幸雄、同上原敏子の各証言によれば、甲第二号証は藤井幸雄がその父平作からの伝聞を書いたものであり、また、甲第三号証は上原敏子が松浦スミ子からの伝聞を書いたものであつて、いずれも本人の自筆ではなく、かつ、二十数年前の混乱した状況下での出来事に関するものであること、被上告人の妹孫貴達は昭和二〇年三月に広島市立第二高等小学校を卒業後同市立第二高等女学校に入学したと述べているが、甲第一一号証の一、二によると同人が昭和二〇年三月まで右第二高等小学校に在籍していたことは認められるものの、その後の消息は確認することができないこと、前記証人藤井幸雄は、昭和二〇年八月二八日に海軍から除隊してきたのちに自宅で被上告人と会つたことがある旨供述しているが、その供述は具体性に欠けるところなしとしないこと、更に、被上告人本人の供述をみると、被爆時の状況や被爆後帰宅するまでの経路等について述べるところが、証拠上明らかな当時の客観的状況と対比してかなり不自然であるばかりでなく、妹孫貴達の供述との間にも被爆に関する重要な事実、例えば、被上告人は、被爆当時両親と妹の四人で暮していたというのに対し、孫貴達は、そのほかに疎開してきた親族二〇名くらいが同居していたといい、また、被上告人は、当時の勤務先の皆実町の専売局倉庫で被爆したというのに対し、孫貴達は、帰宅してみると被上告人と母親は倒壊した自宅の下敷きになつていたといい、更に、父親の安否につき、被上告人は、父親は被爆後一時間半くらいして帰宅したというのに対し、孫貴達は、父親は帰宅せず遺体もみつからなかつたというように、生活を共にしていた兄妹の供述としては甚しい喰いちがいが認められること、そしてまた、原審も指摘するとおり、被爆による被上告人の受傷の部位についての被上告人の申立が甲第一〇号証の供述書及び第一審における供述と甲第一号証の被爆者健康手帳交付申請書に記載するところと大きく齟齬があること等を勘案すると、原判決挙示の証拠関係から被上告人が広島市において被爆したとの事実を認定することは、困難である。
 いうまでもなく、原爆医療法の適用については、被爆の事実の存在が本質的な要件なのであるから、事実審としては、右の被爆事実につき、客観的な裏づけの証拠があるかどうかについてできる限り慎重な審理を尽くすべきであつて、行政事件訴訟法二四条が特に職権による証拠調に関する規定を設けているのも、このような場合のためなのである。したがつて、わたくしは、本件の被上告人の被爆事実に関する原審の事実認定は証拠法則に照らしたやすく首肯することができないと考えるのであるが、しかし、右の点は上告理由として主張されていないので、当審としては、原審の認定を前提として判断するほかはないのである。

 (裁判長裁判官 岸盛一 裁判官 岸上康夫 裁判官 団藤重光 裁判官 本山亨)


 上告代理人貞家克己、同伴喬之輔、同矢崎秀一、同桑畑稔、同小沢義彦、同西幸夫、同黒川弘、同鏑木伸一、同船橋光俊、同元村昭典、同近藤栄次郎の上告理由
 原判決が不法入国者である被上告人にも原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(以下「原爆医療法」という。)三条の適用がある旨判断したのは、同条の解釈適用を誤つたものであり,その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである。
 第一、被爆者健康手帳交付の要件に関する原判決の解釈の誤り
 一、原判決の判旨
 原判決は、原爆医療法三条に基づく被爆者健康手帳交付の要件につき、交付申請者が日本国内に居住関係を有することは必要でないとの解釈を示し、その理由として、原爆医療法は社会保障法の性格を有すると同時に、被爆者に対する国家補償法的性格をも有する一種特別の立法であるから、社会保障法であることを理由に居住関係の存在が要件であると解することはできず、また、同法の法文中に、同法が日本国社会に居住関係を有する構成員に限つて適用される旨の明文の規定も存しないのであるから、居住関係の存在が必要であると解することはできないと述べている(原判決一七丁表一二行目〜裏七行目)。 
 しかし、原判決の判示は、原爆医療法が国家補償法的性格を有するとしている点において、原爆医療法の法的性格を見誤るものであり、また、そのことを理由に被爆者健康手帳交付の要件につき居住関係の存在を要しないとしている点において、原爆医療法三条の解釈を誤るものである。
 二、原爆医療法の法的性格
 原爆医療法三条二項は、被爆者健康手帳の交付を申請する者が二条各号の一に該当すると認めるときは、その者に手帳を交付すべきことを規定するのみで、同法が外国人にも適用されるものであるかどうか、また、外国人に対しても適用されるとした場合に、その者が日本国内に居住関係を有していることを要するか否かについては、直接の明文の規定は存しない。
 しかし、右のうち、同法が外国人に対しても適用されるべきことについては争いのないところであるから、問題は同法の適用されるべき外国人の範囲いかんということになる。この点につき上告人は、原爆医療法の法的性格は社会保障法であり、社会保障法である以上、明文の規定をまつまでもなく、同法の適用対象者たる外国人は日本国社会の構成員として、日本国内に居住関係を有する者に限定されるべきであると考える。
 そこで、原爆医療法三条を解釈する前提として、最初に、同法が純粋な社会保障立法であり、国家補償法的性格を有するものではないことを、同法の立法の経過、目的、内容等に即して明らかにする。
 1 原爆医療法の制定の経過
 原爆医療法は、原判決が述べているように、昭和三一年一二月一二日、衆議院本会議において自由民主党及び日本社会党の共同提案に係る「原爆障害者の治療に関する決議」案が可決されたことに基づき立案制定されるに至つたのである(原判決一五丁裏七行目〜一六丁表四行目)が、右決議の趣旨は、原子爆弾被爆者の生存者に対する健康管理と医療につき適切な措置を講じ、治療に遺憾のないことを要請するにとどまるものであり、かかる措置が国家補償として行われるべきものであることまで要請しているわけではない。したがつて、原爆医療法が右決議を受けて制定されたという経緯は、同法が国家補償法的性格を有することを示すものではない。むしろ、立法者は同法を意識的に社会保障法として立法したものと考えられるのであり、第二六回国会衆議院社会労働委員会における厚生大臣の原爆医療法の提案理由の説明も、原判決引用部分(原判決一六丁表六行目〜裏一行目)に引き続いて、「これらにつきましては、政府といたしましても昭和二九年度以降若千の予算を計上して、広島長崎両県に居住する一部の人に対し逐次精密検査及び研究治療を行つて参つたのでありますが、被爆者の現状にかんがみますれば、今後全国的にこれが必要な健康管理と医療を行い、もつてその福祉に資することといたしたいと考え、ここに原子爆弾被爆者の医療等に関する法律案を提出した次第であります。」と述べているのである(第二六回国会衆議院社会労働委員会議録一一号五ページ)。
 このような立法者の意図は、原爆医療法を補完すべく制定された原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(以下「原爆特別措置法」という。)の立法過程においては更に明確に表明されており(この点については、原判決も、一三丁裏九行目〜一四丁表一〇行目においてこれを認めている。)、立法者は、他の戦争災害との均衡上、意識的に国家補償法として立法することを避けたものと考えられる(第五八回国会衆議院社会労働委員会議録第二六号三、四、六、八ページ参照)。
 以上のような原爆医療法及び原爆特別措置法の立法経過を見るとき、原爆医療法が社会保障法として立法されたものであることは明らかであり、その立法経過から原爆医療法の国家補償法的性格を看取することは到底不可能である。
 2 原爆医療法の目的
 原爆医療法は、原子爆弾被爆者が今なお置かれている健康上の特別の状態にかんがみ、被爆者に対し健康診断及び医療を行うことにより、その健康の保持及び向上を図ることを目的としている(一条)が、その趣旨とするところは、原子爆弾被爆者の被爆による健康上の被害は継続性を有するものであり、その症状の発現、経過に未知の点が多く、治療方法も十分に確立されていないという被爆者の特別の健康状態及びそのような健康状態によつて招来されている被爆者の困窮状態を考慮して、国の負担において被爆者に対し健康診断等を行うことにより、被爆者の健康の保持、向上を図ろうとする点にあるのであつて、このことは正に同法が社会保障法であることを示しているものということができる。
 このように、原子爆弾被爆者の特別の健康状態に着目して、特に被爆者を対象とする救済措置を講ずることは、決して社会保障制度の本質に反するものではない。このような例は他にも存在するのであつて、例えば、スモン、ベーチエツト病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス等のいわゆる難病については、その原因が不明で治療方法も確立されていないため、治療が極めて困難であり、かつ、医療費も高額であることを考慮して、医療費の公費負担の施策が実施されている(昭和四八年四月一七日衛発第二四二号厚生省公衆衛生局長通知「特定疾患治療研究事業について」別紙「特定疾患治療研究事業実施要綱」、芦沢正見・「難病対策の現状と一、二の問題点」ジユリスト五四八号二六一ページ)が、この措置も社会保障制度の一環と考えることができるし、また、社会保険の分野においても、例えば、国家公務員共済組合法は、傷病手当金の給付期間について、結核性の病気の場合に特別の扱いをしており(六六条三項)、地方公務員等共済組合法においても同様である(六八条三項)が、この取扱いも結核性疾患が長期の療養を必要とするという特別の事情に着目したものにほかならない。右に述べたような他の例と比較した場合、原爆医療法は社会保障立法として決して特異なものということはできない。原爆医療法を補完する原爆特別措置法も、「原子爆弾の被爆者であつて、原子爆弾の傷害作用の影響を受け、今なお特別の状態にあるものに対し、特別手当の支給等の措置を講ずることにより、その福祉を図ることを目的とする」と規定し(一条)、同法が社会保障法であることを明らかにしているのである。
 もつとも、原爆医療法は、原爆特別措置法とともに、保障の対象者である被爆者の健康状態が戦争に起因しているという点において、他の例と異なつてはいるが、原爆医療法は、被爆者の健康状態そのものに着目して保障の措置を講じようとするものであり、その健康状態が戦争に起因することに着目して保障の措置を講じようとしているのではない。原判決は、この点を誤解して、原子爆弾による被爆は戦争に起因しているという単純な理由から、原爆医療法が国家補償法的性格を有するものとしているのであるが、このような見解は原爆医療法の法的性格を見誤るものといわざるを得ない。
 3 原爆医療法の内容
 原爆医療法の法的性格を判断するためには同法の内容を検討することが最も重要である。そして、その内容の検討に当たつては、同法を補完し、これと一体となつて原子爆弾被爆者の救済制度を形成している原爆特別措置法の内容をも併せて検討する必要がある。
 まず、原爆医療法は、原子爆弾被爆者に対し、国の負担により、毎年健康診断を行い(四条)、健康診断の結果必要があると認めるときは指導を行い(六条)、現に医療を要する状態にある被爆者に対しては医療の給付を行うこととしている(七条)。
 次に、原爆特別措置法(昭和五〇年法律第五五号による改正後のもの)は、原爆医療法二条の被爆者で造血機能障害等の疾病にかかつている者に対して健康管理手当、近距離被爆者に対し保健手当を支給し(五条、五条の二)、原爆医療法八条一項の認定を受けた者に対しては特別手当を支給し(二条)、原爆医療法七条一項の医療の給付を受けている者に対しては医療手当を支給し(七条)、そのほか介護手当(九条)、葬祭料(九条の二)を支給することとしているが、葬祭料を除く他の諸手当の支給については、いわゆる所得制限の規定を置いている(三条、六条、八条)。
 このように、原爆医療法は、被爆者に対して健康診断及び医療給付を行い、原爆特別措置法は、被爆者のうち現に疾病にかかつている者、現に医療を必要とする状況にある者等に対して各種手当を支給することにより、経済的保障を与えようとするものであつて、いずれも「公費負担による経済保障」の制度として、社会保障法の範ちゆうに属するものということができる。
 右のように、原爆医療法等は社会保障法に属するものであるから、その内容において、国家補償法的性格とは相いれないものとなつている。
 まず、原爆医療法等は、生存者に対する給付のみを規定し、その施行前において被爆に起因して死亡した者については何らの措置を講じていないが、このことは国家補償法的性格にはふさわしくないものであり、この点において他の戦争災害に関する国家補償的立法例とは大きく異なつている(戦傷病者戦没者遺族等援護法二三条、三四条、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法二条、三条、引揚者給付金等支給法八条、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律三条一項二号、三号参照)。右の点は、原爆特別措置法制定の際の国会における審議においても、問題とされたところであるが、政府は、同法は社会保障法であるから死者に対する給付等については規定していない旨説明しているのである(第五八回国会衆議院社会労働委員会議録第二六号三ページ)。もし、原爆医療法、原爆特別措置法を国家補償法として立法するとすれば、既に死亡した被爆者についても補償の措置を講ずべきことになるであろうが、かかる措置を講ずるものとした場合には、他の戦争災害による死亡者と区別して、特に原子爆弾の被爆による死亡者についてのみ補償を与えることの合理的説明が不可能となるのである。したがつて、原子爆弾被爆者をその他の戦争犠牲者から区別して取り扱おうとすれば、それは生存している原子爆弾被爆者の特別の健康状態に着目して初めて可能となるものというべきであるから、原子爆弾被爆者の救済立法は社会保障法として立法せざるを得ないという事情が存在するのである。次に、原爆特別措置法は、前に述べたようにいわゆる所得制限の規定を置いている。このような所得制限の規定は、社会保障立法としては当然のことといえようが、国家補償法的性格とは相いれないものというべきである。他の戦争災害に関する国家補償的立法例を見ても、引揚者給付金等支給法(六条)を除いては所得制限の規定を置いているものはない。
 更に、原爆特別措置法の規定する各種手当は、被爆者のうち、疾病にかかつている者、現に医療を要する状況にある者、現に医療の給付を受けている者など、生活水準の低下を来す原因である疾病が現実化している者などに対して、その健康状態に応じて支給しようとするものであり、社会保障制度にふさわしい内容となつているが、このような諸手当が国家補償法的性格のものであるとは言い難い。
 最後に、原爆医療法等は、外国人に対しても適用されるのであるが、戦争災害につき、日本政府が外国人個人に対して直接損害賠償ないし損失補償を行うということは通常考えられないところであり、戦争に起因する一般的な損害についての賠償問題は、日本政府と外国政府との間において国家間の問題として解決されるのが通例である。他の戦争災害に関する国家補償的立法例も、補償対象者を日本国籍を有する者に限定し、日本国籍の喪失をもつて権利消滅事由としているのである(戦傷病者戦没者遺族等援護法一一条二号、三号、一四条一項二号、二四条、三一条一項二号、戦傷病者特別援護法四条三項、六条一項、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法三条、未帰還者留守家族等援護法二条一項(未帰還者につき、日本国籍を要件としている。)、引揚者給付金等支給法四条、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律三条等参照)。このように見てくると、原爆医療法等が外国人をも適用対象としていることは、かえつて国家補償法的性格を否定するものといわざるを得ない。
 三、被爆者健康手帳交付の要件と居住関係
 1 被爆者健康手帳交付の要件
 原爆医療法が社会保障法に属するものとすれば、同法三条に基づき被爆者健康手帳の交付を受け得る外国人は、日本国社会の構成員として日本国内に居住関係を有している者に限定されるべきである。このことは社会保障制度の本質からして当然のことというべきである。すなわち、社会保障制度とは、疾病その他の困窮の原因に対し、保険的方法により又は直接公の負担において経済保障のみちを講じ、生活困窮に陥つた者に対しては、国家扶助によつて最低限度の生活を保障し、すべての国民が文化社会の構成員たるに値する生活を営むことができるようにすることを目的、内容とするものであつて、このような社会保障制度を確立する責任は国にあるが、他方国民も社会連帯の精神に立つて、それぞれの能力に応じて社会保障制度の維持と運用に必要な社会的義務を果さなければならないのである(社会保障制度審議会・昭和二五年一〇月一六日「社会保障制度に関する勧告」。
 ところで、このような社会保障制度は、憲法二五条の国民に対する生存権の保障と国民生活に対する国の責務に基礎を置くものであるから、憲法上の要請としては、社会保障制度は日本国民を対象とするものといえようが、外国人を日本国民と平等に扱うことは必ずしも不当であるとはいい難いから、立法政策として内外人を平等に取り扱うことはもとより可能であり、原爆医療法もそのような立法例の一つである。しかし、社会保障制度が外国人に及ぼされる場合であつても、社会保障制度が社会連帯の思想に基づき文化的な社会生活を可能ならしめることを目的としている以上、その対象となる外国人は日本国社会の構成員として日本国内に居住関係を有する者でなければならないことはいうまでもないところである。したがつて、原爆医療法が社会保障法であるとすれば、その適用対象者は、原則的には日本国民であり、同法が外国人に適用される場合にも、その外国人は日本国社会の構成員として日本国内に居住関係を有する者でなければならないと解すべきである。
 もつとも、社会保障立法の中には、緊急の事態に対応して、即時の給付が要請されるような場合に関する立法もあり、そのような立法にあつては、適用対象者たる外国人につき居住関係の存在を要件とすることはできないであろう。しかし、原爆医療法は、被爆者に対して健康診断及び医療を行うことにより、被爆者の健康の保持、向上を図ることを目的とする、本質的に長期的視点に基づく社会保障立法であるから、本来、日本国社会の構成員として日本国内に居住関係を有する者を対象者として予定しているものというべく、居住関係の存在を要件とすることが、法の趣旨、目的に反するといつたような特段の事情は存在しない。原判決も、原爆医療法が純粋な社会保障法であれば、その適用には居住関係の存在が必要であるとする見解は十分首肯し得るものであると述べているのである(原判決一四丁裏一一行目〜一五丁表一行目)。
 以上述べたように、原爆医療法の適用対象者である外国人は、日本国社会の構成員として日本国内に居住関係を有する者に限定されるべきであるが、ここにいう居住関係とは社会学的概念ではなく法的価値に関係した概念であるから、それは単に日本国内に身柄が存在するということを意味するものではない。すなわち、ここにいう居住関係とは、日本国法上適法な資格に基づく在留関係であり、かつ、その在留関係が日本国社会の構成員として認められるに足る実質を有するものであることを必要とするものと解すべきである。換言すれば、それは適法な在留資格に基づく在留であり、かつ、その在留が相当程度の期間継続するものであることが予定されているものでなければならない。
 右のように解すべきことは、原爆医療法が公費負担による経済保障としての社会保障制度であることからの当然の帰結というべきであろう。何となれば日本国内における不適法な事実上の滞在者は、強制的に国外に退去させられるべきものであり、このように日本国社会の構成員となることを法的に拒否されている状態にある者に対して、国が公費によつて経済的保障を与えなければならない義務を負うべきものとは考えられないからである。もちろんそのような者に対しても、公的扶助としての社会保障においては、緊急事態に即応して扶助を与える必要のある場合もあり得るけれども、公費負担による経済保障については、公的扶助の場合と同一に論ずることはできないのである。
 また、仮に適法な在留資格に基づく在留であつても、極めて短期間の在留しか予定されていない場合には、日本国社会の構成員と認められる実質を有しないので、そのような者に対してまで公費による経済的保障を与える必要はないものというべきであろう。
 2 原判決の原爆医療法三条の解釈の誤り
 原判決は、原爆医療法は社会保障法としての一面のほかに国家補償法的性格をも有する一種特別の立法であるから、社会保障法であることを根拠として居住関係の存在を被爆者健康手帳交付の要件とすることはできないと述べている。
 そして、原判決は、原爆医療法が国家補償法的性格を有することの理由としてるる述べているが、その中には何ら説得力を有するものを見いだすことはできず、その理由とするところは、究極のところ、原爆医療法が戦争被災者の中から特に原子爆弾被爆者を対象としているということに尽きるものと見ざるを得ない。したがつて、結局、原判決の述べるところは、原子爆弾被爆者に対して社会保障を行うことそれ自体が国家補償的意味を有するということにほかならない。もしそうであるとするならば、原爆医療法の解釈に当たつては、社会保障法であることを前提として解釈すべきであり、また、そのように解釈したとしても、国家補償的意味が失われるということにはならないであろう。
 しかるに、原判決は、一方において、原爆医療法が社会保障法であることを認めながら、国家補償法的性格を理由にその適用対象者たる外国人につき、居住関係の要件を否定し、国家補償法的性格に一方的に優位性を与えるという誤りを犯しているのである。
 また、仮に原判決が述べるように、原爆医療法が国家補償法的性格を有するものとしてみても、そのことによつて、居住関係の要件が否定されるべきものとは考えられない。既に述べたように,戦争災害に関する国家補償的立法例は、権利者を日本国民に限定しているのが一般であり、日本政府が戦争災害による一般的損害につき、外国人に対して損害賠償ないし損失補償をなすべき理由は本来存しないのであるから、原爆医療法が国家補償法であるとすれば、同法は外国人に対しては適用を否定されるべき筋合である。それにもかかわらず、外国人に対して同法の適用を認めようというのであれば、この場合にも、同法の適用対象者である外国人は、日本国民と同一に取り扱うべき合理的理由の存する者、すなわち、日本社会の構成員となつている者に限定されるべきであるといわざるを得ないのである。
 なお、原判決は、訴外辛泳洙に対して被爆者健康手帳が交付された例を挙げ、行政実務が、原爆医療法適用対象者につき、居住関係の存在を要件として運用されているかどうか疑わしい旨述べている(原判決一七丁裏八行目〜一八丁裏二行目)が、同訴外人は、適法に我が国に入国し、適法な在留資格に基づいて在留していたものであり、しかもその在留期間が一箇月以上に及ぶことが予定されていたのであるから、日本政府が日本社会の構成員として居住することを許容していたものということができるのである。したがつて、同訴外人は日本国内に居住関係を有していたものと解して差し支えないのであり、原判決の述べるところは当たらないというべきである。 
 四、まとめ
 以上述べたように、原判決は、原爆医療法三条の解釈を誤り、その結果、被上告人に被爆者健康手帳を交付すべきものとしているのであつて、右の違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである。
 第二、被上告人の居住関係に関する原判決の判断の誤り
 一、原判決の判旨
 原判決は、仮に居住関係の存在が原爆医療法三条の被爆者健康手帳交付の要件であるとしても、被上告人の本件被爆者健康手帳の交付申請及びこれに対する却下処分は、被上告人が仮放免されていた間になされたものであり、被上告人は仮放免中は本邦内に居住することが承認された状態にあつたものであるから、原爆医療法の適用上は正規の居住関係に準じた関係にあるものと解すべきであり、上告人は被上告人の本件申請を許容すべきであつた旨判示している(原判決一九丁表一一行目〜裏一〇行目)。
 二、原判決の判断の誤り
 1 被上告人の日本国内における滞在状況
 原判決の確定したところ(原判決が引用する第一審判決理由中で認定された事実を含む。)によれば、被上告人は、昭和四五年一二月三日佐賀県東松浦郡鎮西町名護屋串浦港に不法入国したところを逮捕され、身柄拘束のまま昭和四六年一月三〇日佐賀地方裁判所唐津支部において出入国管理令違反の罪により懲役一〇月の判決を受け、これを不服として福岡高等裁判所に控訴したが、同年六月七日控訴棄却の判決を受け、同月二五日から福岡刑務所において服役していた。
 一方、福岡入国管理事務所主任審査官は、昭和四六年一月一六日被上告人に対し退去強制令書を発付した。被上告人は、右服役中、肺結核の病状が悪化したので、同年八月一二日刑の執行を停止され、国立福岡東病院に入院し、同年九月三日同病院で前記退去強制令書の執行を受け、即日仮放免された。
 その後、被上告人は昭和四八年一月二六日広島日赤病院に転入院し、同年五月二日同病院を退院して広島刑務所で残刑を服役し、同年八月二四日刑の執行を終了し、翌二五日大村収容所に収容されて現在に至つているものである。
 2 被上告人の居住関係の有無
 原爆医療法は、第一の二、三において述べたように、公費負担による経済保障としての社会保障法であるから、外国人に対する同法三条の被爆者健康手帳交付の要件である居住関係は、法的制度たる社会保障制度の本質に適合するものであることを要し、そのためには、その居住関係は、適法な在留資格による在留であり、かつ、それによつてその者が日本国社会の構成員として認められるような実質、内容を有するものでなければならない。
 被爆者健康手帳交付の要件である居住関係が右のごとき内容のものであるとすれば、被上告人の我が国における滞在は到底右居住関係の要件を満たすものということはできない。すなわち、被上告人の我が国における滞在は、原判決の確定した前記事実関係によれば、出入国管理令違反(不法入国)の罪による服役と退去強制手続のための滞在であり、近く強制送還されることを予定された滞在である。したがつて、被上告人の滞在はいわば日本国社会の構成員となることを拒否された結果としての滞在であり、社会保障制度適用の要件である日本国社会の構成員としての滞在とは本質的に相いれないものである。
 この点を考慮してか、原判決は、被上告人が仮放免されたことをとらえて、被上告人が居住関係を有するに至つたものと判示している。しかし、仮放免の制度はもともと退去強制手続の一部であり、退去強制令書の執行による収容を一時停止する措置にすぎないのであつて、仮放免中の滞在は住居及び行動範囲の制限、呼出に対する出頭の義務その他の条件、制限を付されたものであり(出入国管理令五四条)、決して無条件の居住を認めるものではない。したがつて、仮放免中の滞在も、退去強制処分の執行過程としての滞在であることに変わりはなく、仮放免終了後の再収容、送還を予定されたものである。このように、仮放免中の滞在は退去強制手続中の滞在であるから、被上告人が日本社会の構成員となることを拒否されている状態にあつたことについては何ら変化がなく、それが仮放免によつて日本国社会の構成員としての居住関係を取得するに至ることはあり得ないのである。
 ことに、被上告人は、水際で逮捕されたものであるから、退去強制手続開始前に、適法な在留による居住関係はもとより、不法な在留による事実上の居住関係すらも有していなかつたのであり、およそ日本国社会とは無縁の存在であつたのである。このような被上告人に対して、仮放免によつて、日本国社会の構成員としての地位を認め、社会保障制度の適用を及ぼすべきものとするがごときは健全な常識に反するものといわなければならない。
 ちなみに、原判決は仮放免中に限つて居住関係を認める趣旨と解されるのであるが、仮放免の終了により既に収容されている被上告人は、現在居住関係を失つており、いまや被爆者健康手帳の交付を受ける資格を有していないのであるから、本件却下処分を取り消すべき実益も存しないこととなる。
 右のとおりであるから、原判決が、被上告人の仮放免中の滞在をもつて、原爆医療法の適用上は正規の居住関係に準じた関係にあるものと解し、被上告人に原爆医療法を適用すべきであるとしているのは、原爆医療法三条の解釈適用を誤つたものであり、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである。


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B1 国の法令類

B2 国の情報

C 行政関係判例

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