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 最高裁(第一小法廷)昭和57年 4月22日判決
   
=街づくり・国づくり判例百選bO02〔処分性−都市計画法上の高度地区指定〕


 昭和54年(行ツ)第7号・高度地区変更決定取消請求事件
  棄却
   
第一審 東京地方裁判所昭和53年 3月29日判決
   控訴審 東京高等裁判所昭和53年10月11日判決

  上告人 X  被上告人 東京都 右代表者知事 鈴木俊一
 判例タイムズ471号95頁


 主 文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。

 
理 由
 上告人の上告理由について
 都市計画区域内において高度地区を指定する決定は、都市計画法八条一項三号に基づき都市計画決定の一つとしてされるものであり、右決定が告示されて効力を生ずると、当該地区内においては、建築物の高さにつき従前と異なる基準が適用され(建築基準法五八条) 、これらの基準に適合しない建築物については、建築確認を受けることができず、ひいてその建築等をすることができないこととなるから(同法六条四項、五項)、右決定が、当該地区内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課し、その限度で一定の法状態の変動を生ぜしめるものであることは否定できないが、かかる効果は、あたかも新たに右のような制約を課する法令が制定された場合におけると同様の当該地区内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なそれにすぎず、このような効果を生ずるということだけから直ちに右地区内の個人に対する具体的な権利侵害を伴う処分があったものとして、これに対する抗告訴訟を肯定することはできない。もっとも、右のような法状態の変動に伴い将来における土地の利用計画が事実上制約されたり、地価や土地環境に影響が生ずる等の事態の発生も予想されるが、これらの事由は未だ右の結論を左右するに足りるものではない。なお右地区内の土地上に現実に前記のような建築の制限を超える建物の建築をしようとしてそれが妨げられている者が存する場合には、その者は現実に自己の土地利用上の権利を侵害されているということができるが、この場合右の者は右建築の実現を阻止する行政庁の具体的処分をとらえ、前記の地区指定が違法であることを主張して右処分の取消を求めることにより権利救済の目的を達する途が残されていると解されるから、前記のような解釈をとっても格別の不都合は生じないというべきである。
 右の次第で、本件高度地区指定の決定は、抗告訴訟の対象となる処分にはあたらないと解するのが相当であり、これと同旨の原審の判断は正当であって、原判決に所論の違法はない。論旨は、違憲をいう点を含め、独自の見解に立って右判断の不当をいうもので、採用することができない。
 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。                       
 (裁判長裁判官 中村治朗 裁判官 団藤重光 藤崎万里 本山亨 谷口正孝)


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